国土交通省の基準地価が20日発表になって、バブル以降全国規模で下落が続いてきた地価が、ここにきて下げ止まっているようだ。
発表記事からは、名古屋や東京の一部で地価は上昇に転じ、これから大都市部での地価の上昇が始まるような論調になっている。
そんな伏線があるせいか、今年の始めから不動産業での起業に関する質問が多くなっている。これから宅地建物取引主任の資格をとって、不動産業を始めたい人たちである。
ただ、自分で不動産業を開業するとなると、取引主任の資格のほかに、宅地建物取引業免許取得のために営業保証金の供託か弁済業務保証金分担金の納入で、1000万円を用意しなくてはならない。
資金の問題ばかりではなく、03年あたりから不動産投資信託(REIT)が人気になって、都心での優良ビル物件への投資が活発になっていたが、それに伴って不動産投資も増え続け、今ではバブルの状態になっている。
他方、東北の地方都市に見られるように、景気の立ち直りがまったく見られないため、不動産売買が極端に少なくなっている地方も多い。今回の全国平均で住宅地3.8%、商業地5.0%の下落は、活況を呈する大都会とドンドン縮小する地方都市の平均値である。
不動産業での起業といっても、いきなりの開業は難しく、やはり一度は不動産会社に勤めたうえでの起業が筋である。その中でいかに新規性を発揮できるか、難しい問題ではあるが、成功した時の見返りも大きそうだ。