2年前、リーマンショックが発生した直後のことです。米国発の金融危機でしたが、わが国も97年以来の金融危機の再発を恐れて、一瞬にして経済が凍りついたような状態になりました。最初は会社対会社の取引に影響が表われ、その後は会社対消費者の取引も減少しました。生活必需品はそうは落ち込みませんが、日常生活にあまり必要としないものは売れなくなります。
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起業アドバイザーの中山おさひろです。
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ケーキ店で起業して2年が経ったMさんは、そろそろ経営が落ち着くと思われた矢先に、リーマンショックが起きました。ケーキや洋菓子は、不況時には自慢できるほど売れなくなる商品です。お客さんが減少している上に、売れないことは判っていてもケーキを作ってお客さんを待たねばならない、大変効率の悪いビジネスです。
98年の10月から12月にかけては、月間売上げが前年同月比で30%近く減少しました。Mさんのお店は、アルバイトの女性2人とMさんの奥さんの4人で営業しています。このままでは、アルバイトのどちらかに辞めてもらうしかありません。そんな頭を悩ませていた時に、アルバイトの女性の一人が、粉屋さんが間違って配達した粉を、そのまま材料として使ってお菓子を焼いてしまいました。
配達途中の粉屋さんから連絡が入りましたが、もう材料として使用していたためそのまま焼いたそうです。Mさんもこのアルバイトの女性には、今月一杯で辞めてもらおうと決めたそうです。焼いたお菓子を捨てようか、売ろうか悩みながら試食してみると、これが今まで食べたことのない触感と不思議な味だったようです。
後で判ったことですが、この粉は米粉でした。この材料でドーナツや菓子を売り出すと人気になり、それまでの落ち込みを完全にカバーして、今ではMさんのケーキ店の人気メニューになっているそうです。たまたま、わたしがコンサルティングをしている、粉屋のSさんから聞いた話です。この事例のキモは、現場での失敗の中には、大変なビジネスチャンスになる失敗が時々あります。
大事なことは、起業家は現場にいないとこのチャンスを見逃すことです。現場の従業員は、失敗を隠そうとしますから、チャンスは日の目を見ることなく葬り去られます。起業家の場合、そのほとんどの人は、失敗がチャンスであることさえ、知らないずに経営していることは少なくありません。
その後、粉屋のSさんも米粉販売に力をいれて、この不況のなかでも売上げを落とさずに頑張っています。一つの発見は、他の商品の販売に連鎖します。今、パンや菓子業界にとって、米粉はイノベーションです。本当に良く売れ出しています。失敗を怖がらずに、新たな米粉製品を売り出すときです。
【余談】
円高によって、日本経済は壊滅的な被害と言ってたのは2カ月ほど前。ところが早くも、この程度なら乗り切れると言う企業が次々に現れています。円高による販売への影響ばかりに目を向けると、1円上がることで数十億円の減益といった声ばかりが聞こえてきます。一方で、円高による材料費や輸送費の低下を計算しますと、思ったほどマイナス要因ばかりではないようです。円高によって、長いこと苦しめられてきた日本です。その対策も、悲鳴の上げ方も、よく学習ができているようです。
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