「企業は何よりも人にある」 「人は創意と進歩に生きる」 マルハニチロホールディングスのグループ社訓の冒頭の言葉です。今回、製造工場の社員が、製品の冷凍食品に農薬を混入させた容疑で大きな事件になっている、アクリフーズを含む、売上高約8千4百億円を誇る日本一の水産会社グループ。
驚いたのは、日本最大手の水産会社でありながら、事件を起こしたと思われる容疑者の推定年収が、NHKニュースでは約200万円。49歳でフルに働いて最低賃金レベルの給料しか貰っていなかったことです。こんな大それた事件を起こした犯人が許されるわけはありません。それにしても、日本最大手の水産会社にしては給料が安い。
結局、国内でこんなに安い給料で従業員を雇用して、時給の10円20円をケチったため、この会社の売上高は大幅に減少しています。アクリフーズの1月の売上高は昨年比で、30億円から6億円へと急落する見込み。事件が発生した群馬工場だけでなく、ブランド力の低下による売上げ不振で、夕張工場も一部製造中止に追い込まれています。
ブランドイメージは、アクリフーズの冷凍食品だけでなく、マルハニチロ製品全体にも響きそうです。今後新卒学生の採用や株価などでも、今回の事件の影響は避けられそうにありません。情報化がこれだけ進みますと、容疑者に関する情報ばかりでなく、雇用している会社も俎上に上ることになります。
「企業は何よりも人にある」の言葉が白々しく聞こえるのは、わたしだけではないと思います。この事件を起こした犯人は一番悪いのですが、そんな環境に追い込んでいる会社にも問題があることは確か。今回のように全国的な大問題になると、正社員とか契約社員とか、パート、アルバイトと言った言い訳は通りません。
08年、中国で毒入り餃子事件が発生したとき、日本ではこのような事件は起こらないと思っていました。ところが、類似の事件は最大手の水産会社から起こりました。やはり、待遇や給与への不満が原因で、会社のモラル低下が背景にあります。安く社員を雇用することが、決して安くないことを今回の事件は暗示しています。
今日も読んで戴きましてありがとうございます。元気にお過ごしですか。起業アドバイザーの中山おさひろです。
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