よく時代の変化といいますが、ビジネスにおいてどんな変化があったのか、実感できる本がありました。わたしは、参考になった古い本は取っておくようにしていまして、本棚の奥に「ヒット率100%の商品開発」(売れるモノづくり人づくり)を見つけました。著者の伊吹卓さんは、1990年代の人気経営コンサルタントです。
第一章「理屈をいうと売れない」と言うところから、20年前のビジネスの雰囲気が出ています。この本が売り出された1992年はバブル経済が崩壊を始めた年です。ただし、当時のビジネスマンは、誰も好景気が終わりを告げていることも、膨大な額の不良債権が積みあがっていることも知りません。ネットによるIT社会が到来する前の時代です。
そのため、人気商品を作るための有力な手法は、「売れている商品のパッケージをまねる」でした。この本の中には他にも、「独創的なものほど売れない」、「売れる先入観か、売れない先入観か」、「一度ヒット商品をつくった人間ははずせ」など、今とはまったく違うメッセージがあります。ただ、当時も今も、変わらないヒット商品づくりのコツがあるのも確か。
真似るヒット商品づくりは当時の主流で、パナソニックの松下電器は「まねしたでんき」と言われ、他社の新製品が売れるのを見てから製造を始める会社と言われました。当然、起業する業種も、米国のビジネススタイルを真似て作られました。バブル経済で世界一の経済力といいながら、まだ独創的な製品やサービスは生まれていません。
20年が経過した現在、人のビジネスを真似ているようでは売れないといいながら、意外と多いのがネットを通じて過去に書かれた手法を真似ている人です。ネット上で情報を見る時は一人でも、書かれている内容に接している人は数千人や数万人います。基本的には、他人のビジネス手法、しかも儲かると言われる手法を多くの人が真似することになります。
ネットに頼った起業で失敗する人が多いのは、こんなところに落とし穴があるのでは・・。 時代の変化を取り入れ、ビジネスを軌道に乗せている人はいます。ただ、ネットばかりを頼りにするより、自分の頭で考える力のある人です。人の真似だけの起業では、一旦ビジネス環境が厳しくなったときに対応できません。ビジネスの基礎知識を身につけ、現場に足場を作り、考えるクセをつけたら、簡単は失敗しません。
【一言】
ホリエモンが、ビジネスのコツとして在庫を持たない起業を言い出すと、多くの人が在庫ゼロを言い出した時期がありました。そんなときにロングテール理論をアマゾンが実践して、多くの在庫を持ったビジネスで成功しています。他人のビジネスのコツを当てにしてはダメ。
元気にお過ごしですか。起業アドバイザーの中山おさひろです。
現在、人気ブログランキング 起業部門 9位から 8位に上昇しています。
いつも気持ちよいクリックをありがとうございます人気blogランキングへ