「ビジネスはスピード。今の時代、スピード感のある経営をしていないと、起業しても社会の流れについていけません」 この文章は、ある起業セミナーを運営している会社の広告文です。
グローバルの波と一緒に、スピード感のある経営の文字は、いたるところで見かけるようになりました。日本経済新聞やビジネスアイを見ても、経営者のインタビューにはスピードの言葉が溢れ、交通違反で捕まらないかと心配するほどです。
ここでスピードを口にしている経営者は、従業員が数千人とか数万人の会社の経営者です。起業したばかりで、従業員が一人や二人の会社とは規模が違います。大きな会社では、現場の声やお客さんのニーズの変化が経営者に伝わるまで、数日掛かります。
伝達時間をいかに短縮するかが課題です。他社との契約を判断するとき、稟議を廻す時間をショートカットすることもスピードです。起業したばかりの会社のスピードとは、目的もその方法も違います。
そう考えると、起業したばかりの会社が、無闇にスピードを求めるのは違います。逆に、起業してまだ経営に不慣れな人は、思考する時間をたっぷりとることの方が大切と思います。
自分の頭でしっかり考える習慣をつけること。下手にスピードを意識して早く判断することで、失敗する危険性の方が高まります。それでは、起業時には急ぐ必要はないのか。急がなければならないのは、お客さんが急いでいるときです。
あくまでも、お客さんの意思に添って急いで判断すること。また、日常的に行う業務に関しても、スピードを速めることです。仕事の速いことは起業が上手くいくための必須条件です。
それ以外では、起業したばかりの経営者が、バタバタと急いで判断するのは失敗の基です。スピード経営の名の下、後で後悔するような判断をして、取り返しのつかない失敗をした起業家は大勢います。
起業しても、1年で3割とか4割の会社が廃業すると言われます。その中には、よく考えず慌てて判断して失敗した人も少なくないです。無暗にスピードばかりに気をとられていると、正面衝突で会社がなくなります。
【一言】
起業のための読書会を、4月18日(土)昼12時半から東京・中野で開催します。あまり起業への思いを人に話すことのない人が、起業向け読書を通じて話すことが目的です。わたしからも、最近の起業の動向や今後の起業の進め方を話しています。費用は3000円(飲み物付き)です。問い合わせ、参加希望の人はここからメールをお願いします。
元気にお過ごしですか。起業アドバイザーの中山おさひろです。
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