閉店して、次のテナントを募集している唐揚げ専門店の既に営業していない看板を、今月に入って各地で3店も見ました。わたしの街にある専門店も、お客さんの姿はほんと見かけません。
知人や開業した人に問い合わせても、今の環境はとても厳しいようです。2000年代中頃に唐揚げブームが起こり、各地に唐揚げ専門店が多数生まれたことがありました。
唐揚げのメッカともいえる大分県の名店が、各地に店舗を出しました。他県の老舗唐揚げ店の出店も相次ぎましたし、独自に唐揚げ専門店を出店した人も多かったです。
ただ、この時期にはコンビ二店が、カウンター傍に唐揚げの保温器を設置する店が相次ぎました。精肉店がコロッケやメンチなどと一緒に、唐揚げを売出したのもこの時期が多かったです。
唐揚げ専門店の出店ばかりでなく、このようなカタチの競合店が多数できたことによって、売れ筋商品であるはずの唐揚げはあまり旨みのない商品になりました。
そこで、唐揚げが競業しやすい原因を考えてみました。一つには、鶏肉は安く、入手しやすいうえに、販売が簡単なことです。焼き鳥とはこの販売のし易さに違いがあり、串に差す作業があって多くの参入防いでいます。
二つ目は、確かに美味しく作れる商品ですが、美味しいがゆえにお客さんに飽きられやすい点があります。あまり何度も食べてくれないのは、美味しい商品の特徴で、よく食べられる商品はほどほどの美味しさです。
三つ目は、唐揚げは市場が広がりすぎているので、よほどブランド力があるか、商品に独自性がないと、専門店として売出すのは難しいところがあります。唐揚げによく似た鶏肉の加工品も多数あることが難点です。
需要が多い人気の唐揚げですから、後発で市場に参入してもお客さんに受け入れられるように思いがちです。高齢化で多くの企業が年寄り向けビジネスに参入しているように、唐揚げも単品販売での出店は勝算がみえないように思います。
【一言】
美味しい商品は売れると考えるのは、素人の発想のようです。特に、よく口にする食品の場合、一口で美味いと感じるよりは、二口目、三口目で美味いと感じる食品が息の長い商品といいます。テレビの食べ物番組のように、食べて直ぐ美味しいといっているようでは、商品としては長生きが期待できないと思った方がよさそうです。
元気にお過ごしですか。起業アドバイザーの中山おさひろです。
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