今から2、3年前、東日本大震災の影響で不況色の色濃い時期に、訪問看護ビジネスで起業する人が急に増えた時期があります。介護ビジネスが急増したことで看護に切替える人が増えた時期です。
14年3月に東京・八王子で訪問看護ステーションを開業した会社が、八王子市から介護保険法に基づく指定を取り消されました。常勤看護士の勤務実績
にウソを記載して市に提出していたことが問題になりました。
帝国データによる15年度倒産実態をみても、法令違反に絡む倒産が289件で調査開始以降で最多を記録しています。負債総額1千万円以上の倒産を対象にしたデータです。
最も多いのが不正な会計処理や虚偽の決算書作成が原因で倒産に至った85件。次いで、役所からの業務停止や許可の取り消しにより経営が追い込まれた75件。
不正な資金の流出や詐欺行為といった資金使途不明による倒産も67件で第三位です。以前の企業環境とは大きく変わって、今はコンプライアンス(会社の法令順守)に厳しい目が向けられています。
軽い気持ちで他人の名義を借りて不動産会社を開業した結果、後日営業許可を取り消されるケースが増えています。上記の訪問介護の場合は、指定取り消しに加えて介護報酬120万円の返還も求められています。
起業するとき、手違いや都合が悪くて資格者の採用が難しいときがあります。資格ビジネスの場合は、第一関門の資格者を採用できないときは開業を見送るしかないです。
訪問看護などでも、収益の大半を看護士さんの給料に取られ、経営者の利益が残らないようなケースがあります。看護士さんに苦情を言って、逆に脅されるようなことも珍しくないビジネス。
問題は、起業する人が経営能力をほとんど考えずに、開業することだけを目的にしていること。ビジネスは、開業してからの長い道のりをどう歩むか、そこが問題として問われます。
【ひと言】
2年前、丁度わたしが脱腸の手術を受ける時に、訪問看護で起業を目指す人の相談と重なったときがありました。病院の担当看護士さんに、訪問看護に向いている人の集め方を教えてもらった経験があります。介護や医療関連でのビジネスは、患者さんに寄り添う気持ちが大事で、お金儲けを優先する経営では長続きしません。軽い気持ちで公的資金が相手のビジネスは安定してるだけで、これらのビジネスに参入するのは考えた方がよいです。
起業アドバイザーの中山おさひろです。
現在、人気ブログランキング 起業部門 13位から 11位に上昇しています。
ここからクリックお願いします。 人気ブログランキングへ