今年の16年版中小企業白書の中に、現在無借金の中小企業が35.4%もあって、果たして無借金経営はよいことなのか、悪いことなのか、経営者には話題になっています。
起業前の人には、借金のない経営は優良な会社と考えられがち。ただ、借金には二つの面があって、経営が厳しくて赤字を補てんするための借金は悪い借金です。
一方、新たに事業拡大を行うための借金は、企業経営にとっては健全な借金です。無借金企業が資金を借りない理由トップは、「新たに投資するための資金ニーズがない」が69.7%も占めています。
わが国の場合、デフレ経済が約20年近く続いていました。物価が下がるデフレになりますと、借金を返済することは企業経営にとってたいへんな重荷になるため、借金をなくして身軽にする会社が多かった事情もあります。
借金のない経営は、経営の自由度が高まって楽なように思われがちです。ところが、金融機関との付き合いがまったくない経営は、万が一の災害や大不況が起こると相談する相手さえいません。
それに、無借金は経営の緊張感がなくなることも問題です。決して、事業の世界では借金のないことは自慢できることばかりではありません。自分で、会社の成長機会の芽を摘んでいることにもなります。
現在は、日銀が金融機関に対しマイナス金利を提示するほど、資金需要の低い時代です。こんな時は、同業者の思いつかないイノベーションやリノベーション(技術の修正)により、新たな資金需要を見つけた人が勝ちです。
【ひと言】
全般的に起業で失敗した人の原因トップは、「開業するときの自己資金の不足」です。特に、事業資金ばかりに気を取られ、自分の生活費を考えていなかった人が多いとはよく言われること。起業でこのような自滅に陥らないように、時間的に余裕をもってよく考えて起業に立ち向かうべきです。
起業アドバイザーの中山おさひろです。
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