日銀のマイナス金利は、企業経営者にとってあります評判はよくないようです。いくら貸出金利を下げられても、投資する先が見つからないことには、気分的にマイナス思考ばかりが強くなるだけ。
現在、マイナス金利を追い風に投資を大幅に増やしているのは、首都圏など大都市での不動産投資ばかり。東京都心などには、再開発を進める区画がけっこうありますが、そこを除くと元気なビジネスは目立ちません。
ペッパー・フード・サービスが営業している「いきなりステーキ」は、8月2日に恵比寿店を開業して100店目を記録しました。13年12月の1号店開業から2年8カ月の短期間です。
日銀の低金利政策は、「いきなりステーキ」のような人気店には追い風になっています。立ち食い方式でお客さんの回転を早め、食材を絞ることで人件費を削減。独自のオーダールールで客単価を引き上げます。
また、「原価率70%」が宣伝文句で、常に行列を作るくらいお客さんがいないことには、このビジネスは成立しないとも言われました。急速な多店舗展開により、現在の原価率は50%程度まで下がっているようです。
一方、同じく短期間に急速に店舗を増やしているのが、婚活支援酒場「相席屋」 14年3月に一号店を東京・赤羽に開業してから、現在は約70店を開業しています。
こちらはセクションエイトという飲食店コンサルタント会社が運営する居酒屋。これまでにも、婚活支援を謳った飲食店はありましたが、大きく成功した事例は記憶にありません。
マイナス金利のこのタイミングで、資金需要の高いビジネスを開業できるのは経営者の才覚です。ただ、次の経済の展開によっては、追い風のはずが向かい風にもなるのが事業の世界。思い悩むところです。
【ひと言】
この低金利に触発されたわけではないでしょうが、夏になって起業や複数店舗の開業を目指す人が増えているように思います。低金利は開業には追い風ですが、問題は投資に見合う集客が可能かどうか。事前にしっかり準備して、お客さんの的を外さなければ、消費需要が弱いとはいっても軌道に乗せることは可能です。今は金融危機の時のような、息のできないほど緊張した不況ではないです。
起業アドバイザーの中山おさひろです。
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