東京・築地市場の豊洲移転が、予定されていた11月7日から延期され、市場の仲卸業者の経営難が心配されています。築地は、水産、青果を合わせ約1000社が取引を行う大市場です。
帝国データバンクの調べによりますと、2003年から16年8月の13年間に倒産、廃業・休業は111社。年間に9社弱の会社が退出している計算で、倒産は78社、廃業・休業は33社がその内容です。
東京都の調査では、水産仲卸業に限定しても約4割の会社は赤字経営に陥っています。築地の会社というブランドは世界でも通用しそうですが、マグロやサンマなど一部の人気魚を除きますと、国内消費量は年々落ちています。
みこし担ぎの法則では、2割の業者が大きな利益をあげ、6割がとんとん、2割が赤字とされています。築地の場合は、4割が赤字とされますから、市場としては取扱規模に比べ業者数が多すぎるようです。
今後、市場の移転延期を契機に、倒産する会社は増えると予想されます。築地の地名は、東京に住む人間にとって身近で誇りでもありますが、実際に築地市場を経由した食材を食べているかというと、最近は減っているのが現実です。
また、豊洲の市場予定地に関して、安全性をしっかり確認しないでスケジュールに沿って強引に移転を進めたこれまでの動きは、都民の食の安全を無視した政治や行政の暴挙とも言えそう。
社会全体が行き詰っているわが国では、指導者が男性から女性に代わり、規律に則った行政を行うことは、新たな展開を開くことになりそうです。一度スケジュールを止めて考えることは悪いことではないです。
【ひと言】
過って、今後は築地市場では手狭になるとして、工場跡地の食料取り扱いには最も不向きな場所を市場にする豊洲。わが国の人口推移を考えると、本当に今の築地では手狭になるのか。スーパーや大型鮮魚専門店では、市場を通さずに産地と販売店との直接取引も増えています。また、魚の消費自体が年々減少しているわが国で、この市場の移転は50年後、100年後を見据えていたのか、考えさせられます。
起業アドバイザーの中山おさひろです。
現在、人気ブログランキング 起業部門 18位です。