訪問販売がピークだった90年代後半と現代を比較すると、売上高が今は半減しています。約1兆7千億円で、今も以前も化粧品、健康食品、清掃用具のベスト3品目は変わりません。
顧客から苦情が多いのもこの販売法の特色で、布団販売や貴金属買取など悪質業者が存在しているのも確か。それでも業界全体の売上高は、テレビ通販やカタログ販売よりも高い規模ですから驚きです。
一方、プラス材料としては日本社会の高齢化が急速に進み、訪問販売を受け入れる土壌は年々広がっていること。既に、65歳以上の人口は4分の1を超え、10年後には70歳以上が2割にも達します。
また、宅配ビジネスが年々拡大していることも、訪問販売には追い風になりそうです。売り手と買い手との接点が、店舗の売り場より家庭の玄関口になるわけですから、訪問販売にもチャンスはあります。
化粧品販売の世界では、資生堂やカネボウといった全国ブランドの他に、驚くほどの数の地域や専門商品のブランドがあります。多くの会社は、訪問販売を舞台に多額の売上げを上げています。
眼鏡専門のメガネスーパーも、高齢者向け訪問販売が得意ジャンルです。フランチャイズで全国展開しているダスキンは、シニア層との連絡網を整備して、掃除用具以外の取引拡大を計画しています。
ネット販売とは対極ある訪問販売ですが、一度取引をするとお客さんとの距離は、ネットの数倍も太いつながりを作れます。また、信頼関係を築くことができると、次のビジネス拡大のチャンスも広がります。
現在は、清掃事業や浄水器レンタルがこの市場での注目株です。以前と違い、訪問販売といっても拠点を地元に置いて、直ぐに顔を出せる商圏内でのビジネスが、この事業で成功する鍵を握ると予想しています。
【ひと言】 東京・杉並では一人暮らしの女性が、住宅リフォームの社員に殺される事件が発生しました。訪問販売にとっては、はた迷惑な事件が良く起きて、顧客の警戒心を高めることになります。ただ、このような事件が起こると、現在家庭を訪問している営業マンにとっては、その信頼度が増す結果になります。他の商品やサービスの販売しやすい環境が生れています。
元気にお過ごしですか。起業アドバイザーの中山おさひろです。
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