現在、総選挙期間中ということもあって、この国のリーダーについて考えることが多くなりました。今のように世界が混乱している状態の時は、リーダーの能力や先見性の問われることが増えます。
欧米先進国では、リーダーとしての才能ある人を探す仕組みができていて、年齢や出自とは関係なしに選ばれることがよくあります。特に、国が危機に陥ったときは、潔く意見が違っても有能な人に託すことが多いです。
日本は、才能のある人がいると足を引っ張る仕組みができていて、国のリーダーとして求められる資質は、人柄が良く年齢や出自が重視されます。全般的に、誰がリーダーになろうこの国は同じといった意識が強くあります。
現在のリーダーである安倍首相を考えるとき、リーダー論でいうならサーバントリーダーと呼ばれる分類に属するすると思われます。日本の大企業経営者にも多いタイプですが、部下に対し召使のように徹底的に尽くすタイプ。
リーダーとしての能力があったり、仕事ができるのとはまったく無関係な存在です。部下の親が死ぬと真っ先に駆け付け、部下の奥さんの誕生日には花を届け、能力とは関係なしに自分に従う部下を重用するタイプです。
安倍首相を知る人は、彼の特長を「人たらし」と証言する人が少なくないです。他人から見えない場所では、痒いところに手の届くもてなしをする人。森友や加計学園問題では、この人たらしの部分が公になったようなもの。
自分の味方に対しては手厚く保護しますが、意見の違う人には敵とみなし、相手にしない一面を持つのがサーバントリーダーの特徴です。地方の中小企業や業績の悪い大手企業経営者にこのようなタイプは大勢います。
もう一つ問題なのは、コアとなる自分の主張を持たないこと。憲法改正にしても、祖父の主張とか、自民党の昔からの党是の受け売りで、自身のこれまでの体験に基づく肉声の主張をもたない人です。
このような時代遅れとも思える人が、今も首相を務めていれるのは、一にも二にも日本の政治の仕組みが世界の他国と比較して遅れているから。20世紀までなら通用しても、21世紀にサーバントリーダーでは難しい。
日本の若くて高い能力を持つ人は、ほとんどの人がガラスの天井がきっちり出来上がっている政治の世界には入りません。世襲ばかりの政界では、どんなに頑張っても国の指導者にはなれないからです。
【ひと言】
よく安倍首相は、「民主党政権時代は混乱していて不景気」と口にします。リーマンショックが起こったのは08年9月で、民主党政権が誕生したのは09年です。11年3月には東日本大震災も発生しています。執拗に民主党政権を馬鹿にしますが、国の膨大な借金は無視して好景気気取りを演出していても、世界の好景気から一周後れの日本の場合は直ぐに化けの皮が剥がれると思っています。