ビジネスや事業で第一に考えるはずの「信用」が、すっかり地に堕ちてしまいました。成人式で着るための振り袖を販売・レンタルする事業をしながら、当日夜逃げ同然に姿をくらませる会社が横浜、八王子で出現しました。
こんな不心得者が企業経営をしていることが問題です。既に2、3年前から業績悪化で多額の赤字を出していたようですから、金融機関からの借金経営で何とか事業を継続させていたはず。
現在の日本は好景気といいますからこの時期こそ、経営不振の会社には市場から退出してもらうタイミングです。赤字で身動きのとれない会社をゾンビ企業と言いますが、このような会社こそがブラック企業の正体でもあります。
しかも、生き延びるため利幅を大幅に下げて営業をしますから、業界にとっては労働生産性を引き上げる原因になっています。生産性は、簡単にいうと付加価値を上げることであり、従業員一人当たりの利幅を上げることですから。
本来なら、逃げ回っている会社経営者を恨むよりは、これまで資金繰りを支援して会社を支えている金融機関に説明を求めるべきです。せっかくの利用者の楽しみを、奪う裏切り行為を支援しているのが銀行や信金など金融機関ですから。
結局は政府が好景気をいう、失業率2.7%の今のうちにゾンビ企業を清算するタイミングのはずです。人手不足のこの時期なら、従業員は容易に就職先を見つけることができます。
今のタイミングは、企業にとっても従業員にとっても、とても動きやすいタイミングです。今後、このような景気が続く保証はありませんから、信用を十分に意識して動けるときに動くべきです。
【ひと言】
本当に経済政策に通じている首相ならば、今の時期は大幅な構造改革を進めるには最適な時期です。公的機関で必要性の薄い事業は民営化するべきですし、看護師から医師に進めるような、仕組みの大幅な変更も考えられます。70年以上前からの、憲法改定にばかりとらわれているので、この国の借金は増えるばかりです。