わが国では、スポーツでも芸能でも、ビジネスにおいても大きな成功を収めると、その人の人生の全てを肯定的に受け止める傾向があります。逆に、何かで躓くと今度は全てが悪いように捉えます。
今、ダイエットビジネスでこれまで先頭を走っていたRIZAKは、たいへんな向かい風に晒されています。余裕資金を活用して積極的に進めたM&Aが完全に裏目にでて、大幅赤字に陥ったことが原因です。
ただ、本業のダイエット目的の肉体改造は、現在も会員数は増え続けていますし、実際のお客さんの効果も大きくビジネスとしては順調です。わたしは、このビジネスモデルに注目しています。
第一の特徴は、会員になるに当たってお客さんに「目標までできるかどうか」尋ねることから始める点です。状来のダイエットビジネスでは、誰にでも痩せることができることをウリにしていました。
第二に、トレーニングの体験日ばかりでなく、お客さんが家や職場にいるときにも徹底的にフォローしている点。絶えずお客さんに寄り添って目標に向かい続けるビジネスはこれまでにはない特徴です。
このようなスタイルのビジネスモデルは、従来ほとんどありませんでした。スマホの登場によって、いつでも運営側とお客さんとがつながっていれることで可能になったモデルです。
これまでの顧客サポートと違い、本気になってお客さんを支援していることで、その成果も他社とは比べ物になりません。このような仕組みは、ダイエットに限らず他のビジネスにおいても可能なはずです。
RIZAPはダイエットに始まり、英語、ゴルフ、料理などにこのモデルを導入しています。この手法に似た精神でお客さんに接しているビジネスが、わたしの知る限り数件ダイエットとは違う業種で展開している会社があります。
18年も間もなく終わり、日ごろ読んでいただいている皆さんにお歳暮代わりに、密着ビジネスとでもいえるモデルを今後数回送りたいと思います。ご自身のビジネスに参考にしていただけたら幸いです。
【ひと言】
この年末にきて、証券株価が大幅に下がりはじめました。ここでも何度か指摘したように、日銀が株価維持のために買い支えている日本の証券市場です。しかも、日ごろ株式売買をしている7割は、海外の投資家によるものです。また、日本経済は年々パイが小さくなっていて、世界経済に対する影響力は微力なものです。財政赤字も今後問題になると思われ、来るものが来ている感じがしています。日本経済は弱体化しようとも、志をもってビジネスをしている人は、この株安に負けない力を蓄えることです。