これまで起業というと、個人事業主で立ち上げる場合を除くと大半の場合は株式会社を設立していました。投資家と経営者と社員と3つ関係者が関り、投資家がリスクを負い経営者は会社の運営を行い、社員は能力に関係なく会社に雇われる立場です。
この骨組みの株式会社組織では、投資家と経営者や経営者と社員との対立が起こります。今の時代の組織は、緩いつながりとフラットな組織が効率的とされています。また経営のためには多くの頭脳が集まる方が有利です。リスクを一部に集中させることも、組織のコミュニケーションを悪くします。
そんな視点から生まれたのが、分散型自立組織(DAO=ダオ)です。株式会社の株式に代わるトークンを組織参加者に割り当てます。特定の人に依存しない、全員参加による組織運営が特徴です。重要な意思決定も参加者全員の投票によって決めます。
このような形態の組織の場合、医療、地域創生、環境、スポーツ、教育など比較的新しいビジネスジャンルや公的事業を展開するのに向いています。現在日本企業で広がっている副業の担い手を組織化する場合にも向いているようにも思われます。
このDAOには、近年開発されたIT技術が広く活用されています。参加者全員が受け取るトークンはブロックチェーンで発行し、資金の流れを記録しておくことができます。また組織の取引履歴は、参加者全員が把握できてビジネスの透明性が高くなります。
初めてDAOを聞いた人も多いと思います。今後Web技術の進展と共に、技術の詳細も広く知られるようになると思います。起業のリスクを少しでも減らしたいと考える人も多いです。人より早くDAOに関する情報を集め、これからの起業に生かすことも可能です。
【ひとり言】
最近は、広く普及している資本主義の限界を口にする学者も増えています。同様に株式会社がもつ組織の使い勝っての悪さも指摘されています。特にデジタル技術の普及が早いため、制度や法律が現実についていけない現実があります。今は組織の仕組みを変えるだけでも、競合他社よりも一歩も二歩も先行することが可能です。DAOはそのきっかけになりそうです。
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