このブログでも何度か書きましたが、飲食業は過剰店舗の状態にあります。お客さんは増えないのに、飲食店の数は一向に減りません。1997年の外食産業の総売上高が約29兆円だったのに対し、08年は24兆円強と大幅に減少しています。それでも、飲食業の新規開店は続いています。ただ最近は、これまでとは違った開店の動きがあります。今日も読んで戴きましてありがとうございます。元気にお過ごしですか。中山おさひろです。
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みなさんは飲食店を開店するとき、それまで開業していた飲食店の店内設備をそのまま使用する、居抜きの仕組みを知っていると思います。その居抜きによる開店が各地で増えているようです。店内設備をそのまま使用するのは当然ですが、什器までもそのまま使用しています。切り替わるのは、看板だけと云った具合です。
新たに開店する起業側にしますと、初期費用が極端に少なく済みます。新装の場合の開店に比べますと、費用が5分の1から10分の1の範囲に納まるようです。これには、昔のように起業家側に資金の余裕がないことがあります。また、多額の初期費用を使っても、その費用が回収される可能性が低くなっています。一方、閉店する方の経営者にしますと、閉店に伴う設備の回収費用や労力を使わずに済む便利さがあります。
ただ、これまで開業していた飲食店の経営が難しいのに、新たに開業した店が上手く集客できる可能性となると疑問符がつきます。そこで、常識では考えられない思い切った低価格の料金設定でお客さんを集めています。閉店する店が多額の初期費用により、高い価格設定の呪縛に囚われていたのに対し、新たな店は思い切った低価格で勝負ができます。
料理そのものも、十分下準備をしてお客さんに飽きさせない料理を出すところがミソです。また、店員も以前の店で働いていた人をそのまま採用することで、アルバイト募集の経費をなくし徹底的に無駄を排除した経営が特徴です。この仕組みは、経済の体力が衰えた地方都市から始まっていますが、徐々に大都市にも波及してきそうです。
飲食業ばかりでなく、店舗の居抜きは他の業種でも採用されることが予想されます。居抜き専門の不動産が生まれそうですし、ネット上には専用サイトも立ち上がっているようです。逆に、店舗の新装でビジネスをしていたリフォーム屋さんなどは、このような店舗が増えると苦しくなりそうです。日本人の消費行動にも影響を与えそうな、居抜きの飲食業の流行です。