起業を目指す人にとって、最も嫌いな言葉は「失敗」ではないかと思います。資金の初期投資ばかりでなく、時間も自分が持つ能力も、あらゆるモノを注ぎ込んでリスクを取るわけですから、失敗だけは避けたいと思うのが人情です。今日も読んで戴きましてありがとうございます。元気にお過ごしですか。中山おさひろです。
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そのため、どうしても考えることは「成功」の方角になびくようです。起業によって多額の資産を作った、ほりえもんこと、堀江貴文さんを崇める気持ちは成功願望の表れです。三木谷浩史さんや藤田晋さんの本が売れるのも、やはり成功のなせる業のように思います。わたしも、1980年代前半にベンチャー・ビジネスブームが起こったとき、成功したベンチャー企業に共通するノウハウに注目しました。
今でこそパソコンと云うと大手企業ばかりになりましたが、わが国の黎明期には「ソード」と云う会社が、NECと市場を二分していました。コンピュータ・ソフト開発の分野でも、IHI 出身者が設立した「コスモエイティ」が、華々しく当時の企業合併を繰り返して注目を集めていました。同じように、時代の最先端を走っていた産業用ロボットの製作をしていた「大日機工」が、IBMやGEから提携の手が伸びていました。
その後、これらベンチャー企業はほとんどが姿を消しました。結局、起業成功のために共通したノウハウは存在しないがわたしの結論でした。なぜなら、経済の成長期に起業を成功させた会社は、その後の下降期に経営判断を誤ります。同様に、下降期に成功した会社も、上昇期には簡単に破綻します。昨今よく云われる、起業家の成功体験が経済環境の変化についていけません。
そこで気づいたのが、成功ではなく、失敗体験を整理することで、失敗しない会社作りを目指すことです。ただ、わが国で失敗した起業家が発言することは至って稀ですから、どうしても米国での研究から引用させてもらいます。コカ・コーラのドナルド・R・キーオ元社長が指摘していることですが、起業関連で云いますと、経営者が「リスクを取ることを止める」。考えるために「時間を使わなくなる」。「柔軟な発想をしなくす」。「社員から距離を置くようになる」。そして、「仕事への熱意を失う」時は、起業が失敗に突き進むときのようです。
特に、惰性で仕事をするようになって、まったくビジネスの将来を考えないときは危険です。起業家と従業員との違いは、考える力があるかないかの違いです。このような失敗の共通項は、起業の時だけでなく、起業が軌道に乗ったときこそ本領を発揮します。しっかりと頭に入れておいてはいかがでしょうか。