以前、このブログでも取り上げましたが、耳かきビジネスは大都市では盛況です。8月初旬には、馴染客が耳かき嬢の家人を殺すと云う色恋沙汰もありました。多分、現代に近松門左衛門が生きていたなら歌舞伎の演目になりそうな話です。今日も読んで戴きましてありがとうございます。元気にお過ごしですか。中山おさひろです。
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事件の内容は、江戸時代にも現代に良くありそうな話ですが、耳かきを業(なりわい)とした人は江戸の昔からいたようです。この時代は、色っぽい若い女性が耳かきをするのではなく、男が耳かきをしていましたが、耳かき棒のべっ甲、竹、鉄など種類によって料金のランクがあったと云います。また、落語の「あくび指南」には、あくびの仕方を教える珍商売もこの時代にはあったと云います。
江戸の町内には、今のカラオケ店に当たる謡の師匠さんがいて、長唄、常磐津、都々逸などを教えていました。面白い仕事では、筆を作る筆師の下には材料となる筆の毛を採取する仕事もあったと云います。何でも、ねずみの腋の毛は筆に使う毛としては最高級とされ、その毛を専門に採っている人さえいました。この時代の人口の割には、大変な数の仕事があったと思います。
現代は人口も増え、それに比例して仕事も増えています。ただ、同じ仕事で起業する人は増えていますが、新しい仕事での起業となりますと決して多くはありません。誰から面白い仕事で起業し、儲かっていると聞くと、どっと多くの人が参入します。直ぐに過当競争に陥りますが、最初にリスクをとって起業する人が少ないのが現実です。
江戸時代には笑ってしまう仕事も含めて、何故、起業する人が多かったのか考えてみました。現代とは比較にならないほど情報網は整っていません。多分、多くの起業を可能にしたのは、町内の情報網の方が現代と比較にならないほど整理されていたせいと思います。人が集まる、湯屋にしろ、髪床にしろ、絶えず情報が飛び交い、あくびを指南するような商売にもたまにはお客さんが集まっていたのです。
現代を考えますと、インターネットやマスメディアの発達によって、全国に情報を流すことは可能になりました。しかし、自分が住んでいる街での情報発信力は著しく弱まっている気がします。全国数万人のお客さんがいるのと、地元に数百人のお客さんがいるのでは、輸送費、商品の鮮度、お客さんの忠誠心、それにトラブル処理などを考えると、地元での商売には敵いません。江戸の知恵を現代に生かすことも、起業にとっては大切に思います。