その起業家が、本気で独立を考えたのは25歳のときです。学校を卒業して3年働きましたが、中学生のころからぼんやりと考えていた、将来は社長を目指す気持ちが強くなったからです。今日も読んで戴いてありがとうございます。元気にお過ごしですか。起業コンサルタントの中山おさひろです。
《ありがとうございます。
現在、人気ブログランキング 起業部門 5位から4位へ上昇中です。
今日もクリックよろしくお願いします》
人気blogランキングへ
ただ、いざ会社は辞めてみたものの、その後の起業に関して詳細はまったく考えていません。そこで、ひたすらアルバイトに精を出す生活を送ることになります。結局、学生時代から経験のある学習塾での起業しか思い浮かばず、28歳で初めて株式会社の学習塾を設立します。時代は1980年代後半のバブル経済の真っ最中です。学習塾はどんどん成長しました。
そこで事業拡大に乗り出します。顧客ターゲットを受験生から徐々に押し上げて、大学生向けに保険販売や旅行ツアーの企画を始めましたが、今度はことごとく失敗です。身近にいる学生には、お金のないことが分かりました。そこで隊列を組み直して始めたのが、学生に気楽に働き口を紹介しようと言うことで軽作業の一時的な請負仕事です。これが、好きなときに好きなだけ働きたい学生の希望と、簡単に労働力の増減が行える企業側の希望とが合致して、学習塾からの事業転換に成功します。
新たな会社設立の折には、車の中から銀行通帳と印鑑を盗まれ、銀行借入の1200万円を盗まれる危機的な状況も経験しました。それでもこの起業家は、クライアントの会社周りをして仕事を探し、遂には40歳で上場企業の社長に納まりました。日雇い派遣会社ではトップ企業にまで上り詰めました。それから8年、今度は上り詰めた道を逆回転でフィルムを廻すように、転落が続いています。
07年度には約1000億円もあった売上げが、09年度は600億円まで落ち込み、最終利益は07年度から赤字続きです。1株配当が3000円だった株式も、現在は無配です。そして、会長だった起業家も、今年12月には相談役に退くことになりました。まだ49歳です。人材派遣での起業が間違いだったのか、事業転換をするべきだったのか、東証1部に上場した04年の時点で事業に満足してしまったのか。この起業家は、フルキャストホールディングスの平野岳史さんです。