「タダのものをいかに有効に活用するか」、古くから起業を成功させるためのポイントの一つです。中古本の買取から一大ビジネスを確立したブックオフがそうですし、リサイクルビジネスの多くも、それまで捨てていたものを買い取り、再販することでビジネスとしているものも多くあります。
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コンサルタントの中山おさひろです。
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そんな発想と同じ仕組みで、メーカーがタダでお客さんに配布する試供品だけを集め、お客さんに配布するビジネスの可能性を考えた人がいます。2007年6月に東京・原宿にオープンした「サンプル・ラボ」は、そんな試供品天国を目指したビジネスでした。週刊ダイヤモンド3月13日号では、この試供品天国の顛末を記事にしています。
お客さんが、入店するには1回会費300円か、年会費1000円を支払うと、当日主催会社が用意したサンプルを5品から10品持ち帰れると言う仕組みでした。開業当初は、連日長い行列ができ、入場制限が引かれるほど女性が集まりました。ただ、サンプル数に限度があるため、並んでも貰えない人が続出。しかも、試供品の品揃えが貧弱だったこともあり、じきにブームは収束しました。
最大時には4万人の会員を集めましたが、1年半後の08年12月には閉店に追い込まれます。試供品を提供していたメーカー側にしますと、お客さんの大半はタダの商品が好きなバーゲンハンターで、ほとんど顧客作りには貢献しなかったようです。しかも、お客さん向けに商品を購入する方法のアナウンスもなされないなど、メーカーの期待にほとんど応えることができなかった言います。
ただ、このビジネスにはまだ可能性があると思ったのか、09年2月からは「出張 サンプル・ラボ」に名前を変え、期間限定の移動販売型でビジネスを再開します。しかし、運営会社が09年5月に自己破産し、再度挫折です。それでも、原宿で長蛇の列を作ったサンプルビジネスに再現を目指すのか、別の物流サービス会社が買収を申し出、その会社も09年12月には自己破産しています。
サンプル・ラボは、開業と破産の連続です。不況になって、メーカー側が試供品サービスを縮小している事情もあるようです。ただ、サンプル・ラボよりも半年前にスタートした「サンプル百貨店」は、会員制のサンプルモニターに配布する仕組みですが、こちらは女性の社長が業容を拡大させています。
やはり、サンプルに合った仕組みを採用したビジネスは継続しますが、派手にお客さんを集まるだけでは、ビジネスの持続性が伴わないようです。みなさんも、今一度自分の周辺でムダなもの、タダで手に入るものを見つけ、起業の材料となるか考えてみてはいかがでしょうか?
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