最近の起業の傾向は、いかに人のためになるか、この奉仕の精神が大きなウェートを占めています。一昔前のマーケティング技術を駆使して、いかに利益を最大にするかといった強欲系ビジネスは、すっかり陰を潜めてしまいました。そのため、マスコミで話題になるような大型起業はありませんが、身の丈に合ったしっかりした起業は少なくありません。
今日も読んで戴きましてありがとうございます。元気にお過ごしですか。
コンサルタントの中山おさひろです。
現在、人気ブログランキング 起業部門 9位から10位へ下降してます。
今日もクリックよろしくお願いします
人気blogランキングへ
今年41歳の K さんは長年、大手カツラメーカーの海外駐在員として仕事をしてきました。それまでほとんど起業を考えることのなかった K さんが、起業と向かい合うことになったきっかけは、東京で看護士をしている妹さんの話です。小児科で白血病の子どもを担当していて、患者の両親は高額の医療費を負担していること。そのため、抗がん剤治療などで毛髪が抜け落ちてもカツラを買って上げられないと言うものです。
カツラメーカーに勤めていた K さんにとっては、ドキっとする話でした。カツラは高額な商品で、寿命は2年程度でオーダーメイドの場合、50万円から80万円もします。ほとんどのカツラメーカーは、高額なおしゃれ用や紳士用ばかりに力を入れています。低価格でガン患者などが使う医療用には、どこも見向きもしていません。K さんは、このとき初めて起業を考えたようです。
起業を目指してから6年の後、K さんは会社を退社しました。それから、故郷の新潟に戻り2年の準備期間を置いた後に、08年5月に医療用カツラの企画、販売会社を設立しました。今は、20万円から30万円程度でオーダーメイドのカツラを、主に中国の工場に発注して作っています。お客さんの7割はガン患者、3割は円形脱毛症の患者さんと言います。
多分、K さんのようなビジネススタイルでは、大手メーカーは赤字が出て営業できない価格です。K さんの場合は、大手が手を出さない透き間市場に、広告を最小限にする経費を切り詰めた小企業だから生き残っていけます。これからの起業においては、このような大手が不採算のために参入しない市場を狙うことが大事です。
それと、生産性を最大限にまで高め、経費の掛からない経営で生き延びることを考えることです。決して大きな利益は上げられませんが、経営法によってはこれまで人が参入しない市場で、人から感謝されながら生きがいを感じるビジネスを展開することが可能です。昔の起業は利益優先でしたが、最近は物価が下落していることもあって、やりがいに大きなウェートを置く起業家が少なくありません。
ビジネススキルを鍛えるための一冊