以前、動物園でチンパンジーの飼育係をしている人が、長く係をしていると、自分が人間よりチンパンジーの仲間と思えてくると話していました。置かれた環境に長く馴染んでしまうと、どんな世界であってもそれを自分の世界と思えてくるようです。今日本人も、このチンパンジーの飼育係の人と同じ心境にいるのではないかと思います。それは、デフレ経済に関してです。
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コンサルタントの中山おさひろです。
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実際の消費者物価指数の下落は、2009年3月から調査の済んだ10年2月まで12ヵ月間に及んでいます。政府によるデフレ宣言は09年11月でしたが、その半年以上もまえからデフレに入っていたようです。しかも、それ以前の消費者物価指数の下落は、99年10月から03年9月まで4年に渡っていました。
それまでデフレなどと云う言葉は、経済学の教科書の中でしかお目にかかれない、とても珍しい経済現象と思っていました。過去にわが国では、1880年代の緊縮財政デフレと、1930年代の金本位制によるデフレ、1949年の終戦直後のデフレの3度です。いずれも、経済運営に不慣れな時代の出来事でした。
それが1990年後半以降は、絶えずデフレ不況がわが国経済を襲っています。広く世界を見ても、先進国でこんな国はありません。ある種のデフレ慣れを起こしています。若い銀行員などは、入行して以来まともな銀行営業をしたことがないと言います。約20年近くもゼロ金利が続いていて、正常な4%や5%の利払いを預金者に支払う経験がないままです。
これは、私たち資金を借りたり、起業をする人にも同じことが云えます。その昔、日本でデフレが発生しそうだと云うときは、本を買ってきてデフレ対策を勉強したものです。それが今は、無意識のうちにデフレを前提とした事業計画を考えています。自然とデフレを受け入れているわけです。
もし、これが正常に戻って金利が上がり、インフレに変化するとき、多くの企業は経営の行き詰まりを起こしそうです。このブログは起業をテーマにしていますが、経済の先行きが上向きを見込めるまでは、起業は考えた方がよさそうです。どうも、チンパンジーの飼育係同様に、異常な経済状態に自然と慣れすぎているようです。
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