東証マザーズに上場して6カ月しか経たない、半導体製造装置のベンチャー企業 エフオーアイが上場前の決算を粉飾していた容疑で強制捜査を受けました。半導体エッチング装置では高い技術のある会社でしたが、国内市場には強力なライバル企業が多いため、台湾や韓国など東アジアのメーカー向けに装置の製造販売を行っていました。
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コンサルタントの中山おさひろです。
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2007年、08年と順調に売上げを伸ばしてきたエフオーアイが、リーマンショック後の販売不振の時に、大幅な売上減では上場規定に引っかかるため、国外での金融機関からの融資を、売上げと見せかけて粉飾決算を計上したものです。証券犯罪としてはとても単純で、例え騙して上場することができたとしても、後日犯行は簡単に判明する性格の犯罪です。
話は少し逸れますが、最近企業犯罪はとても検挙率が高くなっています。企業は、正確に事業結果を記録しますから、大半の犯罪は検挙されやすいのです。特に、インサイダー取引などは100%と言ってもいいほどです。証券取引は、全て証券会社によって捕捉されていますから、秘密情報を入手して株を買っても、直ぐに証券監視委員会に呼び出されます。
会社の金の使い込みや、企業秘密の持ち出しにしても同様に発見されやすい犯罪です。エフオーアイの経営者にしてみたら、金融危機以降の不況のなか上場することで、保有する株式の売却益を得たい気持ちがあったと思います。これは、経営者と同様に多くの株式を持つベンチャーキャピタルも同じ気持ちです。上場することが、みなの幸福につながるはずが、犯罪につながってしまいました。
起業する場合、その目的の一つに上場と言う会社があります。起業の際に出資した経営者の株式が、多くの場合数百倍近くにも増えます。そのため、巨額の富を得たために生活が一変して、会社の成長意欲を失くする経営者も少なくありません。結局はカネに溺れて、何のために起業をしたのか判らなくなります。上場することが、会社のためにも起業家のためにもならないのです。
そのため、最初から上場を目指さない起業家が増えていました。会社を設立した時のミッションも、従業員の幸福も、上場を前に全てがすっ飛んでしまうからです。しかも、高いレベルの技術のある会社は、上場よって他の会社に乗っ取られる心配があります。1990年代までなら、企業のステータスでもあり、他の会社に買収される心配もありませんでした。今の時代、上場だけを目的とした起業はもう姿を消しつつあります。
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