信州大学理学部と民間企業とによって2004年5月に設立した「先端赤外」は、フェムト(千兆分の1)秒単位の極めて短時間にレーザー光を制御し、周波数がテラ(1兆)ヘルツの光を発生させる「テラヘルツ分光分析装置」=写真=
の開発によって今年のベンチャー技術大賞を受賞した。
テラヘルツは、遠赤外線の親戚にあたる新しい光で、紙、プラスチック、人骨などこれまで透過の難しかった物質を透過する特性をもつ。
この装置の開発によって、これまで透過が困難だった材料の非破壊検査や半導体材料などの検査が容易になる。
また、麻薬、プラスチック爆弾、封筒の中の爆発物などを開封することなく検査が可能になり、社会の安全性に大きく寄与するものと思われる。
ただ、産学協同や大学単独の技術開発には、魅力ある製品でありながら上手く販売ルートに乗せられないケースが目立っており、これから起業をする人にとって思わぬ大きな商材が転がっていることもある。
日頃から、関心のある分野の製品開発情報をチェックすることで、思いがけないビジネスチャンスに巡りあう可能性がある。