最近は、不動産業の起業で相談を受けることが多い。バブル経済の崩壊以降、長いこと冬の時代が続いていた不動産業は、景気の活発化に伴いここ1、2年取引が増えていることで、新規参入を考える人が多いようだ。
起業のタイミングは、業況が谷の時に行うのが常道で、山に向かってからでは遅すぎる。まして、これから不動産の勉強を始めるとか、宅地建物取引主任者の資格を取ったから開業するとか、いきなり商売が始められるほどこの世界は甘くない。現在は、難関の不動産鑑定士の資格を取得して開業にこぎ付けても、並みの方法では軌道に乗せることが出来ないのが現状だ。
本気で不動産業を考えるなら、一度不動産会社に勤めて、取引の方法や業界慣行をマスターした上で、独自の新規性のある営業方法を編み出した後でなければ、既存の不動産業の枠組みの中に割って入ることは難しい。
ただ、その頃まで不動産の山が続いていればの話だが・・。不動産は、地域差が極端の大きい業種なので、まず、足元の環境をしっかりチェックすることが起業にとっては最重要なこと。