ここで旅館オープンのPRをするつもりはないないのだが、赤字続きだった山梨県「リゾナーレ小淵沢」に経営参画して3年目で黒字にし、スキー来場者の減少が続く福島県「アルツ磐梯リゾート」に一昨年参画して8年ぶりに4%増とプラスへ転換させ、昨年からは北海道「アルファリゾート・トマム」の経営再建に取り組んでいる星野佳路(よしはる)さんが、経営母体で100年の歴史を持つ軽井沢「
星野温泉旅館」を2年間休業して全面改築した旅館をオープンさせることで、話題をよんでいるからである。
ポイントは、洋風でも和風でもない、従来の型に捉われないスタイルの温泉旅館。同様に、これまでホテルや旅館の都合に合わせて決められていた、チェックインや食事時間、チャックアウトをお客さん都合に合わせて営業を行うらしい。
この発想は、これから起業をしようとする人にとってたいへん参考になる考え方だ。既存の業界が作り上げた慣行から、はみ出すことで業容を伸ばすのが、今のビジネスの鉄則。証券界の松井証券、美容業界の田谷、ディスカウント業界のドン・キホーテなど、捉われない発想から生まれた会社である。これからの起業を考える人も、業界とお客さん間にあるストレスは何なのか?その辺を調べた上で、新規性のある起業を考えてもらいたい。