食材偽装問題は、発端となった阪神阪急ホテルズに、消費者庁の立ち入り検査が入りました。その後は、偽装していると公表したホテル、百貨店、大手チェーンなどが多すぎて、うやむやのまま新たな指針が発表され、終結しそうな気配です。担当大臣が、秘密保護法も少子化問題も抱え、本気で取り組む雰囲気ではありません。
偽装をしていた企業側も、これだけ多くの会社が偽装していたなら、あまり問題にはならないことを見越して公表している節があります。ほとんどの会社は、上場しているか、上場会社の関連、子会社で、グループの企業ガバナンスに則って公表しています。お客さん向けと言うより、株主向けの公表の感じです。
大手飲食店が、何故偽装に手を染めたのか、とても考えさせられるところです。一義的には、長引くデフレ経済の中で価格の引き下げを迫られ、高級食材を使用することで、高価格を維持しようとしたためと考えられます。大手企業経営者は、自分の在任中は赤字を出さないように、黒字幅は大きくするように考えるからです。
また、大手の飲食店や食品販売店の場合は、広い商圏でお客さんを相手にしています。ホテルや百貨店の場合は、商圏が5キロ、10キロにも及びます。阪神阪急より4カ月前に偽装を公表した東京ディズニーリゾート内の3ホテルなどは、日本国内だけでなく、アジアの各国にまで商圏が広がっています。
その点、自営業や小企業の場合は、商圏が小さいため偽装をしてまで売ることをしません。ただ、ネット販売で食品を扱っている人の場合は、全国のお客さんを相手にしていることから、偽装で高級感を売り物にする経営者もいそうです。そのためなのか、ネット販売は、あっけなく廃業する人が多いのも確かです。
末永い事業展開を考えるなら、偽装の嘘はいつかバレることを覚悟するべきです。地産地消を売りにしているレストラン経営者が、最近よくお客さんから、野菜の産地を聞かれるようになった言ってます。ビジネスにおいて嘘をついたならば、結局は経営者が自分で自分の首を絞めることになります。
一時の苦し紛れで嘘をつくよりは、常に新しい提案を考える習慣をつけるべきです。今回、例え行政からの処分を逃れることができても、お客さんの目と口を閉ざすことはできません。一度信用を失いますと、その信用を取り戻すには大変な時間と労力を必要とします。その間には、廃業するお店も少なくないです。
【一言】
今回の食材偽装を見ていますと、デフレからインフレに経済のスタンスが変化するとき、副作用のようにあぶり出される現象のように思われます。今後も、インフレ経済で起こる副作用に経営者は悩むことになりそうです。新たに起業する人にとって、このような変化は決して悪いではありません。既存経営者が苦しむ分、新規経営者は追い風にすることができます。
今日も読んで戴きましてありがとうございます。元気にお過ごしですか。起業コンサルタントの中山おさひろです。
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