起業ばかりでなく会社勤めも今は選択肢

　２、３年前までは、過剰な雇用で悩んでいた会社が、今は人手不足で苦しんでいます。特に、建設関連や飲食業などは深刻で、技術者や作業員がいないため、工期を大幅に延長している建設現場さえ少なくないです。居酒屋ワタミや牛丼のすき家などでは、アルバイトが集まらず店舗を閉店させています。

　大勢のアルバイトが働いている、マックなどの世界のファーストフード業界では、時給を大幅に引き上げる運動をアルバイトが進めています。安い給与を上げさせよとする動きは、アメリカから始まり、今では日本やＥＵ、中国など、世界的な規模で広がってきています。

　今後、起業する人は、この人手問題に直ぐ直面することになります。日本国内のアルバイト、パートなど人手不足が各地でみられ、社員募集で乗り切ろうとする会社もあります。既存店で利益を上げている会社ならば、時給の引き上げにある程度対応できますが、起業したばかりの店舗では、１０００円以上の時給は相当厳しいです。

　もし、間違いなくアルバイトが必要なビジネスで、開業までまったく採用するアルバイトの当てがないなら、起業は難しいと思ったほうがよさそうです。コンビ二を一人で運営している店長をイメージしてください。コンビ二店によってはあまりにアルバイトが集まらないため、セブンーイレブンは本部が一括採用に動いているほどです。

　これまで、働く仕事がないために起業を考える人なら、今は会社勤めのチャンスです。中堅・大手企業でも、正社員の中途採用を慌てて増やしている時期です。決して、起業することが全てではありません。人によっては、どう見ても起業するよりは、会社勤めをする方が向いていると思わせる人もいます。

ただ、誰もが雇用環境の好転によって会社勤めをする時代になったなら、起業の魅力が増すことは確かです。

　特に現代は、起業を希望する人が、９０年代半ばの半数しかいない時代です。外国人の起業に、これからのビジネスを委ねようとする時代です。こんなとき、起業と会社勤めのどちらが有利か、ご自身の人生と合わせて考えてください。

【一言】

わたし自身、３０代後半に子会社から親会社に転籍し、その後希望退職して起業しています。時代を見る目を長いこと養っていますから、空気の変わり目はよく判ります。多くの人が高速道路に向かうときは、ガラガラの国道を走るのが楽しく、速いこともあります。

　今日も読んで戴きましてありがとうございます。元気にお過ごしですか。起業アドバイザーの中山おさひろです。
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