「主婦で終わりたくない」 Sさんのこの言葉を聞いたとき、わたしはびっくりしました。サラリーマンをしていた時代、わたしも「このままでは終われない」と思っていたからです。
ただ、Sさんの起業を考えるにしても、これまでビジネスとの接点があまりないのです。学校を卒業して、就職した先が大学の事務局。その後は、教員だったご主人と結婚して、二人のお子さんが大きくなったことで起業を考えました。
今は、家庭料理や家事整理などで主婦の方の起業が目立ちます。同じジャンルで起業しても、そこから頭一つ抜け出すのはたいへんなことです。何度か、話を聞いているうちに、Sさんは愛犬との付き合いの長いことを知りました。
これまで、自宅には多くの愛犬用グッズを持っていて、何が売れるかどうか目利きでもあります。この才能を起業に活かさない手はありません。
業種が決まりますと、次の問題は開業資金です。Sさんは、主婦ということもあって、資金を金融機関から借りることは最初から考えていません。これまで貯めた、貯金の範囲内で開業することが条件です。
小売店で開業する場合、店舗物件、工事・設備費、仕入費用、人件費の4点に資金が必要です。人を雇わないので、人件費は掛かりませんから、大きく掛かるのは店舗物件です。
結局、Sさんのご主人の実家にスペースを借りて、開業することになりました。義理の両親とも犬好きで、Sさんのプランに協力すると申し出てくれたのです。
特に義父の方は、以前商社勤めをしていて、雑貨輸入に関しては知識が豊富な人でした。開業資金は、工事・設備費に300万円、仕入費用に80万円、ネット販売の準備で40万円と概算で420万円ほど資金がかかりました。
開業して5年、黒字経営ですが、それは店舗費用が掛からないことが大きく寄与しています。仕入れは、欧米のメーカーと直接取引をしており、国内メーカーも4社取引しています。
経営上の大きな変化は、当初の愛犬向け全般の雑貨店から、犬の種類を絞って特定の犬種向け雑貨だけに絞り込んだことです。店舗の売れ行きは落ちましたが、ネット販売が大きく増え経営を楽にしています。
「主婦で終わりたくない」気持ちは大事です。人間短い人生ですから、何かしら自分のために生きて、結果を残してみたいものです。現在は、本格的な場所に店舗を移転して、ビジネス規模を一段上げることが目標です。
【一言】
今は女性の時代と言われています。ただ、パートやバイトで終りたくない女性も多いはず。女性管理職を30%と言っても、実力が伴わないと次に待っているのは女性管理職アレルギーです。組織内ばかりでなく、起業することによっても、女性が活躍する場所はあるはずです。
今日も読んで戴きましてありがとうございます。元気にお過ごしですか。起業アドバイザーの中山おさひろです。
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