昨年から起業準備を進め、秋以降に開業を目指す30代男性がいます。この方は事前準備に時間をかけ、起業計画に関しても、色んな角度からみ直しをしていますから、あまり心配していません。
唯一心配なのは、友人や親戚など、身内の方をお客さんとして多く見込んで開業を計画していることです。
開業初日の飲食店では、知人ばかり集めてパーティーのような騒ぎの開業をする人がいます。初めての外部の人には、とても入店しづらい雰囲気です。
本来大切にするべきお客さんは、外部の人のはずです。このような店は、知人の来店が少なくなると同時に、お客さんが少なくなる店です。
身内を頼りにした起業がいけないのは、お店の将来がなくなるからです。知人が来店してくれるのはありがたいのですが、いつもいつも来てくれるわけではありません。
やはりお店の営業を継続しようとするなら、外部のお客さん中心に運営しないと、本当の意味での売上げは増えません。しかも、身内が相手では真剣勝負になりません。
お店とお客さんとは、料理や商品を間に挟んで、味とサービスと雰囲気とによる勝負です。時には、お客さんから厳しい意見も聞かされます。席を立つお客さんもいるかも知れません。
そのようなお客さんに教えられながら、店も経営者も成長します。このような経験は、多くのお客さんを集めようとするお店にとっては、大事な通過儀式です。
ビジネスである以上、問題は起こりますし、嫌な思いをすることも少なくあります。ただ、ここから逃げていては、お客さんを増やすことはできません。
97年に楽天市場を開業した三木谷会長は、開業初日に32万円を売り上げたそうです。身内には全く知らせず、外部からの購買者だけです。ただ、実際は本人が18万円を注文し、外部は14万円だったと言います。
社員の志気を高めるため、この事実は後々まで話さなかったようです。身内に頼った開業は失敗してしまいます。秋以降開業する起業家の人の中では、30代男性を除くと身内頼りの人はいません。
起業には楽な起業などありません。あれこれ考え、失敗し、そのなかで成長します。決して起業に近道などなく、自分で一歩一歩厳しい道を前進していくしかありません。
【一言】
米マサチューセッツ工科大学メディアラボ所長の伊藤譲一さんが、「日本の起業家は気に入る人間だけを周りに集める印象が強い。人を使うのが上手でなく、自分の能力以上の人材を採用するのを恐れている。自分がお山の大将でいたい」と言っています。その結果が、自分の能力を生かせず、従業員の能力も生かせず、中小企業の社長止まりで終わるケースです。仲良し起業よりは、緊張感のあるビジネスを考えることです。
今日も読んで戴きましてありがとうございます。元気にお過ごしですか。 起業アドバイザーの中山おさひろです。
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