今から20年以上前のこと、1990年頃には多くの企業家が、日本経済が米国を追い抜いて世界一になると思い込んでいました。
バブル経済終焉に近い時期のころです。都心の土地が不足しているため、巨大な船舶を利用して、オフィスにしようと考えた会社さえあったほどです。後から考えると、誰もが同じ夢を見て一直線に進んでいたことになります。
逆に、バブルが弾けた1997年から98年にかけては、拓銀や山一證券が倒産して、多くの投資家が日本経済は総倒れになると心配しました。89年に39000円近くに上昇した日経平均株価が、98年に14000円を割り込んだときです。
誰もが、同じような思考回路になるときは碌なことがありません。バブルのときに、いち早く株と土地の下落を見込んで、全てを売り払った経営者が少数ですがいました。他の経営者とは同じ事を考えない人たちです。
株価はみんなが恐怖で売りに走っているときは、買いのタイミングと言うのはウォーレン・バフェットさんです。起業する人も、大きな意味で資金の投資家ですから、他の人と同じ行動をしていては一緒になって倒産します。
先月から今月にかけて共同通信社が行った調査では、年末の国内景気予測に回答した大手企業106社の経営者の、94%が「拡大している」と答えています。残りの6%も現状維持で、後退しているとする経営者はゼロ。
見事に同じ回答のケースです。消費増税が行われ、GDPが6.8%の大幅な下落なのに、年末までには回復すると楽観的にみています。根拠がどうのと言うよりも、この誰もが同じ発想の楽観論が怖いです。
何も考えず、他社と同じ行動をすることは楽です。ただ、その会社が経済の変化の激しい時代を生き残るは難しいです。日ごろの経営戦略同様、変化の時代にも他社とは違う道を歩む経営者に、協力を惜しまないつもりです。
【一言】
代々木ゼミナールが、全体の7割近い20校を廃校にする方針です。少子化で生徒の集まりが悪い上に、アルバイト講師の集まりも悪くては、予備校として両手両足が怪我をしたようなものです。以前から、代々木ゼミの建物は、ホテルに転換できるように設計されていると言われてきました。経営者の先見の明が、生きることになるかも知れません。
今日も読んで戴きましてありがとうございます。元気にお過ごしですか。 起業アドバイザーの中山おさひろです。
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