日本経済新聞夕刊の連載「人間発見」に、ジェイアイエヌの田中仁社長が登場しています。均一料金のメガネ「JINS」ブランドを展開していて、注目されている経営者です。
田中さんがサラリーマンを辞め、起業を決意したときのことが興味深いです。高校を卒業して地元信用金庫の支店に勤めていたときのこと。85年12月31日、22歳のときです。
大晦日のこの日、支店の預金が目標金額に達していないことから、支店長は支店の営業職員に「今から全員で訪問営業をしろ」と大号令をかけました。時刻は午後9時過ぎのこと。
NHKテレビでは紅白歌合戦がはじまっている時間です。日ごろ、営業で懇意にしている金持ちの家庭だけが頼りですから、非常識を覚悟で1軒の家庭を訪問したときです。
「こんな夜中にカネをせびりにくるとは何だ。貴様は物乞いか」とご主人に罵倒されました。このとき田中さんは溢れる涙を拭きながら、勤めていた信金を辞めることと起業を決意しました。
会社を辞めるキッカケは色々ありますが、田中さんのこの経験は強烈です。この場合、強烈なら強烈なほど、起業にとっては大事なバネになります。
当時は悔しい思いをしたでしょうが、今振り返ると支店長も訪問先のご主人も、背中を力いっぱい押してくれた感謝すべき人です。
ただ、その後の起業で失敗していたなら、思いだしたくもない人たちと言うことになります。起業をするには、自分なりに作ったドラマが必要です。
そう考えると、お金のための起業はあまりバネにはならないです。やはり、自分を奮い立たせるドラマを考え、自分を主人公に人に役立つ起業を目指してください。次回は、田中さんの起業後の話です。
【一言】
起業に至る動機は、とても大事ではないでしょうか。開業後の厳しい環境で廃業が頭にちらつくとき、動機が大きなウエートを占めているならば、踏みとどまることができます。起業への動機が大きな勇気を与えてくれます。仕事がないから仕方なく起業するとか、お金が儲かりそうだから起業するでは、支えにはなってくれそうもありません。
今日も読んで戴きましてありがとうございます。元気にお過ごしですか。起業アドバイザーの中山おさひろです。
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