起業を目指す人の中には、収益を上げることばかりを考え、自分の会社のミッション(使命)をまったく考えることなく開業に踏み切る人がいます。収益ばかりを考える人に、参考にして欲しい会社があります。
創業者は、補正下着の販売会社を九州で立ち上げ、地道な努力が実って上手く軌道に乗せました。女性向け補正下着で多くのお客さんを集めたことで、エステサロンに進出して積極的な店舗展開を行います。
2年後には、自社ブランドのオリジナル化粧品の販売を開始。翌年には超音波美容装身具の販売も加え、総合美容会社として拡大を続けます。2006年には、売上げが10億円の大台に乗りました。
創業者として絶好調のときで、ビジネスの拡大まっしぐらに突っ走って畑違いの飲食業に進出します。しかも、複合商業施設まで建設して、大きな借金を抱えることになります。この時期に売上げは14億円まで延ばしています。
しかし、リーマンショック以降、九州でも景気の後退が始まり、商業施設の来客数も急速に減りました。11年には慌てて商業施設を売却。13年にはエステサロンの店舗も全て売却します。
この時期から初心に戻って、補正下着の販売に再び力を入れ、グローバル化の波に慌てて乗るように中国、韓国に進出します。ただ、既にタイミングを失っていました。
韓国では売掛金の回収が上手くいかず、中国では交渉に失敗します。結局残ったのは、13億円の負債です。最後は、売掛債権、買掛債務を譲渡、特別精算の道を探り、解散することを考えているようです。
会社の規模が大きくなったとき、自社のミッションを忘れ、畑違いの飲食業に進出したときがターニングポイントでした。このような誤りは、小企業においてもよく起こることです。
自分は何の目的で起業したのか、自社の存在理由が分からなくなるときは、会社もなくなるとき。起業する人には、誰もが陥りやすい失敗ですから、自社のミッションからしっかり考えることを勧めます。
【一言】
開業前にはしっかりしたミッションがあったのに、会社が拡大していく中で方向性を見失う人は多いです。今、IT系のベンチャー企業の中には、ビジネス界に大きな影響力を持ちながら、いかに会社規模を大きくしないで影響力だけを残すか悩んでいる会社が少なくないです。無目的に会社を大きくすると、会社の寿命を短くするだけだからです。
今日も読んで戴きましてありがとうございます。元気にお過ごしですか。起業アドバイザーの中山おさひろです。
現在、人気ブログランキング 起業部門 12位です。
いつも気持ちよいクリックをありがとうございます人気blogランキングへ