通常、取引先に対し、今期利益が大きかったので還元する場合、価格を調節するのが常識的な対応です。今期、トヨタ自動車が取引会社に行う還元は、部品値下げを行わないというもの。
どうも還元と言うよりは、ノルマを解除した感じが強いです。トヨタは取引会社に対して常に値引きを求め続けています。値引き幅は、1%前後ですが年に2度行われます。
為替変動がないときなら何とかなりますが、この1、2カ月のように、円安が10%近くになりますと、輸入資材などの価格が上昇して利益がゼロの取引会社もでます。
忙しいばかりで、ほとんど利益のでない3次下請けや4次下請けが少なくないです。そんな背景もあって、製造業での下請け起業はほとんどなくなっています。
国内の中小メーカーの場合は、製品製造に関しては中国・韓国・台湾のメーカーに依頼するケースがほとんど。モノづくり日本は、大手を除くとほぼ看板倒れの状態です。
製品のメーカーで起業する人は、大半が中国・韓国・台湾の製造会社に発注しています。国内の製造会社に依頼する方法もありますが、外国の方が安いと思い込んでいる節があります。
ただ、世界市場においては、「made inJapan」は第一級のブランドとして認められています。日本企業がこのブランドを使わない手はありません。
国内の下請け部品工場も、新たな取引先を求めています。自社ブランドの商品を作りたいと思っている会社がほとんどです。
製品製造を依頼する場合、外国ばかりでなく、国内の部品工場にも一度声をかけください。その会社では無理でも、ネットワークで製造できる会社を知っていることもあります。
それにしても、自動車や精密機械、大型機械などの国内下請け企業は、今のような値引きがいつまでも続くと、いつかは破たんする日が来るような気がしてなりません。
【一言】
わが国を代表する部品メーカー タカタが製造した自動車用エアバッグに不備が発生し、日本ばかりでなく米国の自動車メーカーまで巻き込んでたいへんな騒ぎになっています。毎年毎年、取引価格の引き下げが続いていると、安全に対する感覚よりも、合理化に対する感覚の方が優先するような気が素人にはします。日本製品に対する安全・安心神話も、原発同様に薄らいでいくようです。
今日も読んで戴きましてありがとうございます。元気にお過ごしですか。起業アドバイザーの中山おさひろです。
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