円安によって物価上昇が始まっているわが国で、入浴や運動を日帰りでできる通所介護のデイサービスは、基本サービス料が来年4月以降は下がる見込みになっています。
ここ4、5年、デイサービスで開業する人が増え続けています。現在は、全国に約4万事業所が事業を行っていますが、サービス料の値下げによって急速に開業する人が減りそうです。
対象になっているのは、月平均の延べ利用者数が300人以下の小規模型事業所。301人以上の利用者を抱える通常規模型に比べ、報酬は17%高く設定されていました。
これは、小規模の場合、経費が掛かることを配慮しての設定でしたが、事業者参入が相次いでいることで、厚労省も強気の対応に切替えたようです。
福島原発事故を受け、太陽光発電の買取り電力料金を高く設定しすぎて、引き下げにかかっている経産省の対応とまったく同じです。
小規模デイサービスの場合は、自宅を利用しての開業が可能で、利益率も10.6%と高いことが魅力なため、小資本で開業する人が相次いでいました。
あまりに多くデイサービスの開業が相次いだことで、今後の展開が分かりづらくなっています。それは、わが国で高齢者が実際に急増するのは、団塊世代が75歳に達する8年後以降のこと。
デイサービス利用者は、2022年あたりから本格的に増えると予想されています。一方で、年間総額約3000億円といわれるデイサービスの費用を、これ以上増やす余地も狭まっていることは確か。
今後は、利益ばかりを考えての開業は難しくなります。公的資金が関わるビジネスですから、高齢者のために役立ちたい気持ちがないと、持続することは次第に難しくなります。
【一言】
介護ビジネスは行政と連動しているため、国や自治体の財政に影響を受けやすい体質があります。前回は、介護ヘルパーの人が人手不足のため報酬は引き上げられました。今度は参入する事業者が多いことで、引き下げられます。気になのは、介護サービス事業者に関して、現在は都道府県が指定権限をもっていますが、16年4月以降は市町村に移ること。今後は、指定が厳しくなることは確かです。
元気にお過ごしですか。起業アドバイザーの中山おさひろです。
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