現代の起業においては、開業する前にビジネスの全体設計を完成させてからスタートさせることが鉄則です。今は、IT技術や起業スキルが発達していて、途中で修正させることがとても簡単だからです。
今回の総選挙で継続か、中止かを問われるアベノミクスの場合、前半の2つの矢までは決まっていたようですが、第3の矢は曖昧なままで決まってはいなかったようです。
そのため、最初は昨年6月には公表するはずが、延び延びで今年6月まで伸ばしました。その内容も、女性の活用や法人税減税、農業改革など、日本経済にインパクトのあるものはほとんどなし。
結局、アベノミクスの内容を振り返って検証しますと、日銀が国債や株式の引き受けを増やし金融緩和を加速しただけ。本丸の効果的な成長戦略は、結局デフレをインフレにまで引き上げる力がありません。
長年、自民党政権による伝統的景気浮揚策の均衡拡大政策と同じ仕組みだけです。財政を出動させる手法を、日銀が代わりに引き受けただけの話です。
このタイミングに選挙を打ってでるのも、早い話が国民生活を守るためでも、財政赤字を減らすためでもなく、自民党が政権を握り続けるための必要性からだけです。
安倍首相は、15年10月の消費増税を実行するため、14年7-9月期の経済成長率を参考にすると、何度も何度も公言し続けてきました。
そのため、国の予算執行や公共事業を前倒しして、7-9月期に集中的に実施しています。その結果が、年率で-1.6%です。
多くのアナリストや評論家も読み違いましたが、安倍首相が最も驚いたと思います。来年になると、現在以上の不況が予想されますから、慌てて自民党政権を持続するために、選挙に打ってでたと睨んでいます。
アベノミクス第3の矢といっても、民間企業の稼ぐ力、法人税引き下げ、農協や医療の規制改革など、GDPが500兆円の日本経済を建て直すほどのテーマではありません。
安倍首相以下、自民党の世襲議員にとって政権を取っていないことには、支持者が徐々に離れていく心配があります。
国の財政を使えることが、権力を握っていることの最大の魅力です。1000兆円に及ぶ借金は、そんな自民党が政権を維持するために支払われた対価とも言えそうです。
多くの日本国民も、ここまで借金が増えますと、早晩国の財政が破たんすることは薄々気付いています。アベノミクスの継続と財政破たんとは、合わせて考えておいた方がよさそうです。
【一言】
アベノミクスと大見得を切っても、言い始めてから1年以上経っても同じコトを言っている点が問題です。最初から第3の矢の成長戦略や規制改革のアイデアがないので、競争力会議の民間委員のアイデアをそのままパクるようなことも行なっています。起業と同じで、最初にしっかりしたプランを考えてからスタートしないと、判りづらいことが取り得のアベノミクスになります。
元気にお過ごしですか。起業アドバイザーの中山おさひろです。
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