読者の方から、こんな相談がありました。「将来は起業をしようと考えていますが、まずは会社勤めをしながら小さなビジネスを経験して、退職後の起業に備えたいと思います」
そんなとき、知人を通じてネットショップで、月々10万円ほどの収益を得ているWebサイトを100万円で買わないかという話が持ち込まれました。どう思いますか、と言うものです。
月の収益約10万円の会社を100万円で買う取引は、決して悪い話ではありません。1年目で取得原価を償却でき、2年目からは利益を上げることが可能です。
今、このようなネットショップや会社の売買は増えています。相手がしっかりした会社ならば、決して筋の悪い話ではないです。それでも、ビジネスにおいては慎重には慎重を期したいもの。
大きなポイントは2点あります。1点目は、月の収益10万円の話は本当かどうかです。できることなら、銀行通帳なりネットバンクの出入金表を見せてもらうこと。
2点目は、ショップ販売のための毎日の作業状況を教えてもらいことです。素人が初めてネットショップを開業して、10万円の収益など本来は夢のまた夢です。
今は、小企業がネットショップで黒字経営しているケースは、10社に2、3社あるかないかの時代。黒字会社の大半は、中堅・大手で専門スタッフを抱えている会社がほとんどです。
サイトのアドレスを買うのではなく、ネットショップ経営のノウハウを買うと考えた方がよいです。このノウハウを教えてもらえるなら、初めての起業準備のビジネスとしては安いものです。
この2点を確認したうえで、購入するかどうか、改めて判断するとよいです。今は、サイトの販売はよく行なわれていますが、大半はこの2点の確認を怠って失敗するケースが多いようです。
【一言】
お互いに騙すつもりはないのに、ビジネスに無知だったことが原因でルーズ・ルーズの関係に陥る、会社やサイトの売買ではよく起こることです。できることなら、間に法律の専門家を入れることがお互いのためになります。起業する人が、ゼロからビジネスを立ち上げることを考えると、現在利益を出している会社を買い取るM&Aを実施する方が軌道に乗せやすいことは確かです。
今日も読んで戴きましてありがとうございます。元気にお過ごしですか。 起業アドバイザーの中山おさひろです。
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