今回、アップルを訴えたのは、東京・荒川区に本社を置く島野製作所。従業員350人、精密部品の製造会社でアップルの1次サプライヤーです。
製造している部品は、接続端子のコネクタの先端部分に取り付けられるポコピンと呼ばれる金色のピンを作っています。
電子信号の伝達には欠かせないのがこのピンで、この会社はインテルやサムソン電子にも部品を納品しています。
2005年からアップルとは取引を開始。アップルのノートパソコンに接続する、電源アダプターの端子にピンは使われていました。
島野側の主張では、12年にアップルがピンの増産を要求。生産設備を増強すると、今度は注文量を減らしてきたといいます。
11年10月に創業者のスティーブ・ジョブズが亡くなっていますから、その後にアップルの経営方針が変わったのかも知れません。
中小企業の島野としては、増産体制を敷いた途端に注文減ですから大問題です。通常、増産する場合、島野1社では対応できませんから、製造技術を2次サプライヤーに移転します。
島野は、アップルに対して技術移転に関しての覚書を交わしています。島野の主張では、アップル側は約束を破って海外企業の2次サプライヤーとの取引を拡大していたようです。
島野が慌てて、減らされた取引の拡大を求めると、今度は価格の値引きを求めてきたようです。その上、島野の主張では、アップルはリベートを要求してきたといいます。
そこで、8月に裁判へと発展しました。今月には、裁判が開始されます。今回のような下請けいじめは、日本の大手メーカーに多いといわれ、米国企業は比較的フェアーとされてきました。
日本企業同士のトラブルでは、わたしの知る限り下請けの製造技術を大手が研修と称して取り上げたり、納品した後で不要になったので引き取らせたり、相当悪質なことをしています。
完成品を製造しない中小企業は、大手企業との取引が成立しますと嬉しいものです。ただ、下請けはどこまでいっても下請け。協力企業はいつまでも協力企業です。
製造業で起業した以上は、早く自社の製品を作ることを考えるべきです。下請けをしながら、一方で自社ブランドの製品を作ることによって、精神的にも金銭的には自立することです。
【一言】
安倍首相が、アップルの研究施設の日本進出をアベノミクスの成果のように、自慢げに話していました。円安がこれだけ進みますと、ドルを通貨にしている大会社は、日本企業の買収に走ることを考えているはずです。首相が自慢するまでもなく、日本売りはこれからますます増えます。そのときも、首相は自慢げに話すのでしょうか。
元気にお過ごしですか。起業アドバイザーの中山おさひろです。
現在、人気ブログランキング 起業部門 12位から 11位に上昇しています。
いつも気持ちよいクリックをありがとうございます人気blogランキングへ