年の暮れの総選挙が終りました。09年の政権交代の熱気はすっかり薄れ、国民の政治的無関心がこれまでになく強く現れた選挙と感じました。
選挙は、選挙権者の国民が被選挙権者を選ぶ制度です。選挙に対比する言葉として、「科挙」があります。科挙は、試験を通して人を選ぶ制度。
日本の官僚制度などは、この科挙の典型的な制度です。選挙を通しての国民の政治的無関心が広がったことで、科挙で選ばれた人の存在感が増すような予感があります。
今回の総選挙によって、自民党が大勝したと思われていますが、わたしは実質的な勝者は官僚ではないかと思っています。
民主党が政権と取ったとき、国民は官僚の横行から政治家の政治への転換を期待しました。事実、民主党政権では官僚を重要な課題決定から外し、政治家だけの意思決定に移しました。
その結果、官僚の総スカンをくって、民主党政権は決められない、政権運営能力のない政党のレッテルを貼られます。前回、今回の大敗は、官僚と自民党による民主党攻撃が大成功した結果です。
官僚から政治の主導権を取り戻そうとした民主党の挑戦は、財政赤字の削減や一般・特別会計の見直し、単年度会計方式の変更など、評価すべき点も少なくないです。
民主党は2度も大敗したことで、自民党への対抗勢力の座さえ危うくなっています。このままでは、次に起こる政界再編で消えてなくなりそうです。
国民として問題なのは、財政赤字の歯止めがなくなってこと。このままアベノミクスで突っ走り、1年後、2年後に振り返ったとき、ますます財政赤字額が増えることになります。
しかも、日銀の金融緩和で積み重ねた赤字国債が、そのまま残っていることです。官僚は、財政が破たんしても、公務員削減はあっても、そのまま制度は生き残ることができます。
そのときは、社会保障費を今のように毎年1兆円ずつ増やすことはできません。最後のツケは国民が払わされ、官僚の多くの現状のように生き延びますから、最後の勝者なのかも知れません。
【一言】
自民党は大勝して大騒ぎしているかと思ったら、賢明な人は勝ち過ぎを心配しているようです。企業でも、あまりに収益が上がりすぎますと、その後に色々問題が起こることは確かです。安易に儲かることに味をしめ辞めて独立を考える人。人手不足で社員のコントロールができなくなる。税金が急に増え、会社によっては払えなくなんて事態も起こります。勝ちすぎも本当は怖いです。
今日も読んで戴きましてありがとうございます。元気にお過ごですか。起業アドバイザーの中山おさひろです。
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