ビジネスの基本には、「多くのお客さんを相手に売上げを高めようとすると、調理の味は落ちますし、扱う商品の質は下がる」があります。
ビジネス経験の少ない起業家は、どうしても売上高と高品質の両方を手に入れようとして、結局どちらも取れずに自滅しがちです。
高品質の麺と味を守るため3時間程度の営業で店を閉じているのが、東京・府中の中華そば店「ふくみみ」です。
オーナーは、週5日は朝からスープ作りに専念します。こだわりが、「口に運んだ人がスープを飲み干す中華そばを作りたい」ですから、毎日安定した味を作るために苦労しています。
スープ作りで苦労したあとは次が麺作り。一日の販売数量は、この朝の麺作りで決まってしまいます。作っただけを売り切ったら、それでその日の営業は終わり。
そのため、午前11時半には店を開け、午後2時半には最後のお客さんが店を出ると店仕舞いです。その後は、翌日の開業準備をして早々に帰宅する日々を過ごしています。
オーナーのFさんは、学校を出て外国の日本人学校で教師をした経験があります。帰国後は、何度か転職を繰り返しその時期に中華そば作りに興味をもったようです。
ただ、中華そば作りの全ては独学で身につけた技術。多店舗展開の誘いを断り、現在の1店舗主義を貫いて既に11年が立っています。
東京はラーメン・中華そばの激戦区で、毎月60店が開業して60店が閉店すると言われる世界。10年続く店は約1割と言われる厳しい業界です。
Fさんのような、強烈な自己主張を保てる人でないと難しいです。また、他の店にはないこだわりを提供し続けないと、この激戦区では生き抜いていけません。
【一言】
今、ビジネスの世界では、効率至上主義か、非効率経営か、綱引きが続いています。若い経営者は効率を第一に考えますし、中高年は非効率で利益が減っても、こだわりを生かそうと考えます。ITビジネスは、効率一辺倒で優勝劣敗がきまってきましたが、ここにきていかにアナログを組み込むか知恵を絞る経営者が成果を上げています。効率だけでは、誰が経営しても同じためです。
今日も読んで戴きましてありがとうございます。元気にお過ごですか。起業アドバイザーの中山おさひろです。
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