今月、日本経済新聞の「私の履歴書」に登場している萩本欽一さんの記事を読んでいたら、「勤続疲労」という面白い当て字がありました。
「欽どこ」や「欽ドン」と言った、視聴率30%以上のテレビ番組を連発していた1970年代、能力の出力ばかりしていて疲れ切った状態を言い表しています。
コメディアンとして大成功した萩本さんの履歴書は、人の心の裏面が知れてとても面白いです。自分で大げさに誇張しているのでしょうが、それでも芸人としては不器用な人だったようです。
生来の上り症で、初舞台以来失敗の連続。今のように情報が溢れている時代なら、とっくに芸人を諦めていると思われます。不器用なために、人の何倍もの努力をすることで成功した人です。
ビジネスの世界でもいえることですが、器用で何事も上手くできる人は、多くの人が大成しません。時間は掛かっても、不器用なことは一つの人間の武器です。
萩本さんがコント55号の時代に作り上げた笑いの仕組みは、この世界でのイノベーションでした。
台本を書く萩本さんは全ての舞台回しを知っているけれど、相棒の坂上二郎さんはまったく知らされないで舞台に上げる仕組みです。
舞台を見るお客さんは、当然二人とも台本を知っていて演じていると思いがちですが、次第に二郎さんは何も知らないのに、知っている振りをしていることが可笑しさの源泉です。
起業で成功している創業者とパートナーを見ていますと、仕事上は仲良く共通の目的にまっしぐらですが、私生活では付き合いがあまりないことが上手くいく秘訣と聞いたことがあります。
「勤続疲労」の言葉を聞いて思いだしたのは、生みの親でさえ子どもの面倒を見るのは20年から25年。何の縁もない会社が、20歳で就職してから30年も、40年も面倒をみるのはどうも可笑しいというもの。
当人も、同じ仕事を30年以上も続けると、やはり慣れによる勤続疲労が発生します。慣れからくる失敗で後悔するよりは、新しいことを考えるのも大事です。
起業は、そんな仕事に慣れて、疲れを感じた人が、新しい試みをしようとする舞台です。これまでの経験を生かし、イノベーションを考えると新たな生きがいが生まれます。
【一言】
イノベーションと聞くとたいへんなことのようですが、要は新たな儲かる仕組み作りです。ビジネスのプラットホームAに、他のビジネスで使用しているBを加えると、新たな商品やサービスが生まれると言った仕組み。Aのうちから、Cを引いて新たなモノを作るといったことも可能です。起業する前に、あらゆる可能性を考えることです。
今日も読んで戴きましてありがとうございます。元気にお過ごですか。起業アドバイザーの中山おさひろです。
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