最近、業界ぐるみの不振業種が目立つようになりました。その典型の一つは居酒屋。若者のアルコール離れが需要を大きく減らしています。
追い討ちをかけるように、他業種の飲食店が積極的にアルコールを提供する、ちょい呑み可能な店舗が増えました。酒を飲むなら居酒屋でといった定石が通用しません。
ファミレス、サイゼリア、餃子の王将、最近はコンビニのミニストップまでも、店内でアルコールが飲めるカウンターを用意しています。
国民の収入がほとんど増えないわが国では、居酒屋で腰を落ち着けて飲むより、軽く飲める店を探すのが酒飲みの習性です。その後、次の店に行く行かないは別にしてですが。
学習塾は10年以上前から、少子化が進んで生徒の絶対数が減少することが懸念されていました。教育費に関しては聖域化され、家計が苦しくても子供を塾には通わせる家庭は少なからずありました。
現在は、学校数と生徒数のバランスが崩れ、ほぼ全入時代に入ったこともあって、無理して志願校を高いレベルにしないで受験する生徒が増えました。その結果、塾の必要性は徐々に低下傾向にあります。
昨年4月の消費増税をキッカケに、住宅建築が急速に悪化しました。わが国の住宅戸数は、既に全国民人口にいきわたる戸数があって、以前のように年間百万戸を越える需要は期待できません。
住宅リフォームの仕事はますます高まるでしょうが、新規建築は下降が見込まれています。相続税対策でアパート建設が拡大していますが、入居者の需給バランスは既に崩れていて、将来は投資の失敗例として紹介されそうです。
このところ話題になっているのが、アパレル業界の売れ行き不振です。現代の若い女性は、これまでの同世代と比べるとアパレルに対するニーズが弱いと言われます。
集客数が伸びないところから、カフェや雑貨店を併設させてお客さんを増やそうとするアパレル店が最近の動きです。
このような不振業種で起業を考えるとき、既存店とは違う新たなお客さんへの提案がないまま開業しても、ビジネスを軌道に乗せるのは至難の業です。
多分これらの業種以外にも、お客さんが減って苦しんでいる業種はいっぱいあるはず。単にわたしが気付かないだけで、今後不振に陥るビジネスも少なくないです。
単に今繁盛しているかだけでなく、将来お客さんニーズがどのように変化していくのか、冷静に考えた上で起業への一歩を考えてください。人の真似に頼った開業は危険です。
【一言】
過去にも開催した起業のための読書会を、1月31日(土)昼12時半から東京・中野で開催します。あまり起業への思いを人に話すことのない人に、自分の起業向け読書を通じて話すことが目的です。わたしからも、最近の起業の動向や今後の起業の進め方を話そうと思います。費用は3000円(飲み物付き)です。参加希望の方はここからメールをお願いします。
元気にお過ごしですか。起業アドバイザーの中山おさひろです。
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