2、3年前まで、飲食店を経営する上で心がけるキーワードは、「お店の雰囲気」でした。お客さんは、店内の雰囲気の良し悪しを基準に、よい店と行きたくない店を分けていました。
それ以前ですと、料理の味であったり、価格の安さであったり、接客サービスに良し悪しを見出すこともありました。
現在は、「お店の居心地」を求めるお客さんが多くなっています。味や接客サービス、雰囲気の良さは多くのお店がクリアーしていて、次の課題として居心地が求められるようです。
そのため、価格は少しくらい高くても大丈夫で、その代わり長く居続けることができる店が重要視されます。
この背景には、お客さんの高齢化が影響しています。国内消費の半数以上を占めるといわれる、50歳以上の人たちのニーズが居心地を後押ししています。
一度店内に入ったら、慌しい時間を過ごすことなく、ノンビリと高齢者時間を過ごしたい希望があるようです。
また、ビジネスの一線でばりばり働いている人も、息抜きをするために、料金のことは考えずにノンビリと居心地のよい場所を選びます。象徴的な店舗はファミリーレストラン。
東京郊外のファミレスの場合、ほとんどの店がファミリー向けというより、友達や仲間向けに落ち着いた内装にしています。
日替わり定食とドリンクバーで1千円超のメニューですが、店内に入りきれず席待ちのお客さんがいつもいる状態です。ファミレス同様に大型珈琲店も、居心地のよさを売り物にお客さんを集めています。
高価格と高品質メニューの組み合わせによって、以前のようにお店の回転率を競うことはなくなりました。お店の居心地のよさは、決してファミレスや大型珈琲店に限った話ではないようです。
飲食店ばかりでなく、小売店や惣菜店、サービス業でも生かすことができないか、考えてみてはいかがでしょうか。時代の空気が、ぎすぎすして言いたいことの言えない空気の中、居心地のよさを求めているような気がします。
【一言】
過去にも開催した起業のための読書会を、1月31日(土)昼12時半から東京・中野で開催します。あまり起業への思いを人に話すことのない人に、自分の起業向け読書を通じて話すことが目的です。わたしからも、最近の起業の動向や今後の起業の進め方を話そうと思います。費用は3000円(飲み物付き)です。問い合わせ、参加希望の方はここからメールをお願いします。
今日も読んで戴きましてありがとうございます。元気にお過ごですか。起業アドバイザーの中山おさひろです。
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