思い起こしてもらいたいのですが、今から10数年前の21世紀が始まったころ。日本企業は金融危機の後で、ほぼ大半の大手メーカーは大赤字を抱え倒産の危機と背中合わせの状態でした。
このとき、1社だけ黒字企業だったのがシャープです。液晶パネルやテレビ製造で、ライバル企業がリストラに明け暮れていたなか、モノづくり日本を代表する大手メーカーでした。
そのシャープが2013年の大幅赤字に続き、再び1000億円以上の赤字に今期は陥る可能性が高く、銀行に支援を要請しました。今では、大手電機メーカーでは一社負けの状態です。
この背景を考えますと、一つには過去の成功体験に固執しすぎて、世界の変化に対応できなかったことがよく言われます。液晶パネルは既に利益を生む打ち出の小槌ではなくなっています。
もう一つ、「本業回帰」や「集中と選択」といった、ビジネスの鉄則が過去のものになっていることです。今でも、このような鉄則を振りかざしているコンサルタントや学者がけっこういます。
ITの進歩や新興国の発展によって、大企業も小企業もビジネス環境は時間と共にどんどん変わっています。シャープの悪夢は決して大企業だけのものではなく、いつも小企業にも襲ってきます。
2、3年前までは、とても売れていた商品やサービスが、今はまったくお客さんがつかないといった話をよく聞きます。起業前にはまったく知らされないことですが、開業すると直ぐに現実になります。
このような現実を事前に認識しておいて、起業するときからその対応を考えておくことは、自前のビジネスではたいへん重要なことです。起業にゴールなどないですから、シャープと同じような失敗は犯さないことです。
【一言】
大手企業の場合、「集中と選択」に代わる現在の鉄則は、「分散型経営」や「事業ポートフォリオ」。「一本足打法」は失敗のもととも言われます。小企業においても、事業規模が大きくなったら、一本足から複数事業へ転換を図ることで、リスクを軽減することを考えます。起業家は成長することが求められますし、常に考えることが大事です。
今日も読んで戴きましてありがとうございます。元気にお過ごしですか。起業アドバイザーの中山おさひろです。
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