日本経済新聞朝刊最終面に掲載されている「私の履歴書」。毎月、経済人、文化人、芸能人、政治家、官僚、外国人著名人までが登場する人気の一カ月読み切りの自伝連載です。
ここに登場する経済人のほとんどは、有名大学を出て戦後の日本経済の苦境の中で頑張ったサラリーマン経営者。社長になった後は、経済団体のリーダーとして活躍する人ばかりです。
ところが、4月1日からはじまった札幌の家具チェーン・ニトリ社長 似鳥昭雄さんの場合は人生のスタートから違っていました。敗戦の前年1944年(昭和19年)に現在ロシア領になっている樺太の生まれ。
その後、北海道札幌市に引き上げてから似鳥さんの子供時代が始まります。父親は兵隊として戦争に召集されていて、母親と二人でロシア兵に追われるように、着の身着のままでの引き上げです。
日本国中、戦争を遂行するため、金目のモノは軍に徴収され何もない時代。そこに海外から身体だけで帰国した親子ですから、それこそ極貧生活を強いられます。
その後、父親はシベリアでの抑留から帰還しますが、母親の闇米売りを手伝うたいへん厳しい子供時代を過ごします。学校でいじめられ、家でも両親に厳しく育てられたようです。
わたしは似鳥さんの3年後に同じ北海道で生まれていますが、昭和20年代は誰もが貧しかったです。それと学校には、兵隊経験のある教師が多くいましたから、暴力が横行していた時代です。
似鳥さんは、高校受験に失敗しますが、受験した私立高校の校長に頼み込んで補欠入学します。このあたりが、当時の子供にしては、感覚が相当違っているように思えます。
その後、大学を出て23歳で早々に家具店を起業するのですが、この後の展開は明日以降の日経を読んでみてください。28歳で会社組織に、45歳で株式の上場を果たしています。
今、日本には優秀な大学を出て、大企業経営者として活躍している人が大勢います。ただ、これら優秀な社長たちが、経営者の成績表とも言うべきROE(株主資本利益率)で10%まで到達できずに苦しんでいます。
ニトリの場合は、今期14.9%を予定しているほど。家具販売業界の平均値は3.2%ですからレベルが違います。起業は、似鳥さんのような人が出てきますから面白い世界です。
【一言】
家具のニトリは、ファストファッションのユニクロ、靴販売のABCマート、コンビニのセブン-イレブンなどと同様に、業界では異次元の目標を追いかける企業と言われます。その仕組みがどのように生まれたのか、起業する人には関心があるのではないかと思います。
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起業アドバイザーの中山おさひろです。
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