東日本大震災で巨大津波から避難するとき、三陸地方では「津波テンデコ」の言葉が言い伝えられていることを知りました。
津波の時は、親も子どもも友達も関係なく、てんでに逃げろの意味を知って、軽い違和感を感じた人は昔からの日本人です。欧米人と日本人とを比較したとき、友達と一緒を大事にするのが日本人気質の一つとされます。
できるだけ自我を出さないで、友達や家族と一緒に行動することが美徳でした。その結果が、日本ではよく見られる行列の多さです。
日本人の行列文化といわれるほど、目的の商品やサービスを手に入れるため、長い時間並ぶことを厭いません。時間コストの意識 が、欧米人とは違っているようです。
予定通りに行動するのが好きなのも、日本人気質の一つです。鉄道ダイヤは驚くほど緻密です。ところが、航空機や路線バス、客船などは、鉄道ほど時間を厳守しません。
ビジネスとしては、鉄道だけが全国各地に広がり、国土が狭い関係もあって、交通における航空機ビジネスのシェアは広がっていません。ＡＮＡと日航の売上高合計は、ＪＲ東日本１社の売上げと同程度なのには驚きます。
他人やマスコミが、良いと評判になっているモノを試みる人が多いのも日本人気質です。心理学でいうピアプレッシャーでしょうか、大多数の人や、自分に影響の強い人の意見を受け入れやすい人が大勢います。
よく言われる、日本人の個の確立がなされていない原因にもなっています。自己主張をしないで、人の意見をよく聞きます。これらの気質を逆手にとることによって、集客数を増やしたいときや、スタッフの雇用においては参考になります。
優秀な経営者は心理学に強いといわれますが、これらの気質を熟知していることは、企業経営にとっては欠かせない才能です。収益力の高い、生産性の高い小企業を経営するため、日本人研究をしてみるのも手ではないでしょうか。
【一言】
日本では店頭に商品を並べるとき、あまり多く並べ過ぎると売れないという声を聞きます。目移りしてしまって、買うものを決められない人が多いようです。並べる商品が少ないと、専門店としてお客さんの信頼が得られないとも言われます。この２つの方向のどちらを選ぶか、起業するときの最初の難題といえそうです。
元気にお過ごしですか。起業アドバイザーの中山おさひろです。
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