素人でも経営できる調剤薬局フランチャイズ・チェーン(FC)の「薬のビンセント」として、昨年から大々的な宣伝を行ってきた「ラゴラ」は、7月1日に亀井社長が役員解雇をした上で失踪、事実上の倒産に追い込まれている。
「ラルゴ」を巡っては、FC本部といいながらほとんど調剤薬局としてのノウハウを持たず、一方で日本経済新聞やFC専門誌のアントレに派手な広告を打って加盟店募集を行っており、全国で約50人の加盟店オーナーが被害を訴えている。
何もしないで1カ月の純益が200万円という収益シミュレーションを宣伝の売り文句にしていたが、実際に開業をしてみると加盟店の多くが赤字状態で、短期間に見切りをつける店がほとんど。しかも、被害を訴えているオーナーの中には、加盟料を払ったうえに、薬局の準備を進めて開店待ちのオーナーも多く、1000万から1500万円とされる加盟料に同額近い工事費が上乗せされて、一件あたりの被害額が膨らんでいる。
最近は、手っ取り早い起業で、手っ取り早く利益を上げようとする風潮が強いが、起業を甘く見るとやけどをする。せめて、自分で収益シミュレーションをするくらいでないと、立ち上げても、その後の経営が出来ないことを肝に命じておいたほうがいい。