「アジア各国から観光客急増」や「中国人による爆買」といった言葉に引かれ、アジアの観光客向けビジネスで起業を考える人の相談が増えています。
最近のように、観光客数が年々増え続けていますと、このまま青天井に増え続けると思いがちです。これは、誰もが陥りやすい錯覚のようなもの。この流れがいつまでも続くものではありません。
今、来日している観光客の多さを見るより、アジアの国々の現状に目を向けてください。アジアの好景気の発端となったは中国経済の急拡大ですが、今年に入って急速に経済は悪化しています。
中国の好景気の柱だった不動産投資が、1-4月期は前年同期比で6.0%増と09年1-4月期以来の低い伸び。この2、3年前までは、20~30%の伸びでしたから、大幅に減少しています。
また、中国の輸入も1-4月期は20%も減少しています。この減少は、アジアの周辺各国にとって輸出減少につながっています。フィリピンを除く、東南アジア各国は中国への輸出減少によりデフレに陥る危険が言われています。
1980年代後半のバブル景気のとき、日本人の多くが好景気はいつまでも続くと思っていました。今のアジア各国の人たちも、この好景気はいつまでも続くと信じています。
株式投資を例にするならば、誰もが投資を考える絶好調時に投資のプロは手を出しません。多くの人が、われ先に保有している株を売る株価が下がった局面が、プロの人の株を買い漁るタイミングです。
アジアからの観光客向けビジネスも、今は参入するタイミングではありません。爆買向けに小売店が準備を完了したとき、もう爆買は期待できない段階に入ったときです。
そろそろ多くのアジアからの観光客が押し寄せる波は終わりますから、この次の波に合わせて準備を始めるときです。今、慌てて開業しているアジアの観光客向けビジネスは、まもなく廃業の憂き目をみる時期と思います。
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【一言】
開業は、自分のタイミングに世間が合わせるのではなく、世間のタイミングに自分が合わせる広い視野が必要です。特に、波の大きなビジネスは、このタイミングを抜きに開業は考えられません。大手企業のようにしばらく売れないことも計算に入れた開業を小企業はできませんから、このタイミングを読めるようになるまで、開業は我慢した方が賢明です。
元気にお過ごしですか。起業アドバイザーの中山おさひろです。
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