「起業しても、成功する確率より失敗するほうが高いのでは、エネルギーのムダじゃないですか?」 20歳の男子学生と話をしていたら、こんな言葉が飛び出しました。
今の若い人の間には、チャレンジすることはムダとか損といった考えが広がっているようです。起業するよりは、大企業や公務員として働くほうが、ムダのない賢い人生を送れるといった考えかたです。
確かに、時代に変化がなく、大企業がいつまでも成長を続け、公務員が安定していて収入も多い職業なら、彼の考える賢い人生にも一理あるかも知れません。
ただ、現代を見るしっかりした目を持っているなら、日本を代表する大企業の東芝や日本マクドナルドは、いつ倒産してもおかしくない危ない状態に陥っています。
公務員の給与が財政赤字と無縁ならよいのですが、現実の日本の借金は政府や自治体では背負いきれない危険水域に入っています。国や自治体に倒産はないですから、結局大幅な公務員の人員整理が財政の立て直し策です。
これまで若者にとって、本気で使うことのなかったエネルギーを、全開で使う時期がまもなくやってきます。冒頭の若者も、ムダとか損なんて言ってられない事態が早晩起こると思っています。
起業は、そのような事態に追い込まれる前に、自力で立ち上がろうとするもの。確かに起業で失敗したらムダかも知れません。ただ、これまでに経験しなかった能力を全開にし、人のため自分のために立ち上げるのが起業です。
大きな借金を抱えた国や自治体が、公務員に給料を支払えない事態は起こります。大企業とはいえソニーや東芝のように、社屋の床の下は地獄といった事態もあります。
考えてみますと、1997年のアジア金融危機の時に、今20代の人は10歳前後から下の世代です。仕事さえあれば何とか生きられると考えた、40、50代の人とは考え方に開きがあります。
それでも、長く時代を見る目は大事。時代を感じる感性も、大事にすることです。若いときは起業をバカにしても、一定の年齢に達して会社が以前のように優しくなくなったとき、起業を考えなければならない時はきっときます。
【ひと言】
企業経営者にとって必須の能力は、経済の将来と課題の本質を読む力です。目先のことばかりを考えていては、方向性を間違え、発生する問題を解決できません。ムダや損と思わないで経営のための考える力をつけておくと、年齢を重ねるにしたがって、仕事が楽しくなります。
元気にお過ごしですか。起業アドバイザーの中山おさひろです。
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