今、マクロ経済の目は、中国の景気後退がどこまで落ち込むか、その後退幅に目を凝らしている状態です。一応、中国政府は7-9月期のGDPを6.9%と発表しました。
多分、誰もこの数字を素直に信じている人はいないはず。その前に民間から発表された9月の中国製造者購買指数が47.0P。50P以下は不況の状態で、6年半振りの低水準だったからです。
2011年をピークに、中国経済は下降が続いていると言われます。リーマンショック直後、08年に中国政府は60兆円と言われる巨額の景気刺激投資を行ないました。
アジアの新興国や日本も、この景気刺激によって早期にリーマン不況からは抜け出すことができました。ただし、この資金が中国企業の設備投資に廻ったことにより、今度は多大な供給過剰に悩むことになっています。
現在、中国企業が抱える借金は国のGDPの1.5倍と言われます。大規模な国営企業ほど、経営状態は悪化しています。そのため、政府は需要を喚起する目的で、インドネシアの高速鉄道や空母2艘の建設を進めるとみられます。
誤解してはいけないのは、中国全体が不況状態にあるわけではありません。事業が厳しいのは、鉄鋼、不動産、スマホ製造など、短期に大きな利益を出せるビックビジネスばかりです。
反対に、大規模ネット販売や日常生活の必需品製造販売など、消費者と直結している事業は堅調に推移しています。やはり、13億人が住む市場は想像以上の需要があります。
日本への影響と言いますと、IMFはアジアの新興国でGDPが1%減少すると、日本のGDPは約0.6%下がると試算しています。やはり影響は大きいと思って間違いないです。
中国の景気後退の影響を予測することが難しい原因は、これまでの経験則を生かせないから。わたしたちは、米国が一国で世界の需要を引き受けた時代は経験していますが、米中二国体制での大きな不況は初めてです。
もしかすると、中国はブラックスワンの可能性さえあります。ブラックスワンとは、「従来からの知識や経験では予測できない極端な現状が発生し、その事象が人々に多大な影響を与える」ことです。
【ひと言】
今、わたしが中国経済で感じているのは、「短期間に安直に金になるビジネスは、誰もが真似て参入できるので恐い」と言うこと。中国不況での教訓は、日本でビジネスをする上でも学ぶことが多いです。起業するなら、楽に開業できて簡単に稼げるビジネスをイメージする人が多いですが、楽な開業は楽な廃業にも通じますから警戒することです。
元気にお過ごしですか。起業アドバイザーの中山おさひろです。
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